世界保健機関(WHO)傘下の研究機関が、ベーコンやハムなどの加工肉が大腸がんのリスクを高める可能性があるとする研究結果を発表したことで、ネット上でも反響が広がっている。
世界中の「ベーコンファン」から「ベーコンのない人生なんて意味があるのか」といった悲鳴に近いツイートが寄せられており、ベーコン関連のハッシュタグが「トレンド」入りするほどの盛り上がりぶりだ。
「WHOに何が分かるのか」のハッシュタグも登場
研究結果はWHO傘下の国際がん研究機関(IARC)が2015年10月27日、医学専門誌に発表した。それによると、加工肉を毎日50グラム食べると、がんのリスクが18%高まるという。発がん性がどの程度「確かか」を示すリスク分類で、加工肉は喫煙やアスベストと同じ「グループ1」に分類された。ただし、この分類は発がん性の「確かさ」を示しており、ただちに「高さ」を示すものではない。
だが、早くもツイッター上では「#PraiseBacon」(ベーコンを称賛せよ)「#WhatDoesWHOKnowAnyway」(WHOに何が分かるのか)といったハッシュタグを使った書き込みが続々と登場。
ロイター通信によると、「#FreeBacon」(ベーコンに自由を)「#Bacongeddon」(ベーコンゲドン、ハルマゲドン=最終戦争をもじったとみられる)「#JeSuisBacon」(私はベーコン、風刺週刊誌「シャルリー・エブド」襲撃事件後の標語をもじったとみられる)といったハッシュタグは、2日連続で世界中に話題になっている「トレンド」入りしたという。
一部には
「砂糖も炭水化物も体に悪い。それにベーコンが加わっただけだ」
などと比較的冷静なものもみられるが、多いのが
「ベーコンでガンになるかもしれないが、ベーコンのない人生なんて意味があるのか」
「人間はみんな死ぬ。その日まで食べたいものを食べるだけだ」
といった熱心な「ベーコン支持者」による自暴自棄に近い声だ。
愛好団体は発表前にバーベキュー大会を開いたばかり
今後、こういった悲鳴が広がる可能性もある。ラスベガスのテレビ局KTNVによると、「ベーコン合同教会」と呼ばれるベーコンの愛好団体は、研究結果が発表される直前の10月25日にバーベキュー大会を開いたばかりだ。現時点では公式の反応を発表したりはしていないが、次の集会ではこの話題で持ちきりになることは間違いない。
こういった騒ぎを「お笑い草」だとして切り捨てる向きもある。AFP通信によると、オーストラリアのバーナビー・ジョイス農相はラジオ番組の中で、WHOが発がん性物質だと指摘するものを全部避けていたら「洞窟生活に戻るしかない」と指摘。ソーセージだけを食べて生活することはありえないとして、バランスの取れた食生活を送ることの重要性を強調していた。