安全保障関連法の成立に反対してきた学生団体「SEALDs(シールズ)」が2015年10月28日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、16年夏に行われる参院選に向けた活動方針を説明した。
SEALDsが特派員協会で会見するのは法案成立直前の15年9月16日以来1か月ぶり。前回会見では法案に賛成した賛成議員に対して落選運動を展開する方針を明らかにしていたが、今回の経験では野党間の連携に向けた取り組みを強調。統一候補が実現した際には支援する方針を明らかにした。これに加えて「民主主義をバージョンアップする」として、投票所の増設を呼びかけるなどして投票率上昇に向けた運動にも取り組む。ただし、SEALDsはあくまで安保法案に反対するための「緊急アクション」として立ち上がった経緯もあり、参院選をメドに解散する方針だ。
落選運動にとどまらず「統一候補が出るのであれば応援していく」
諏訪原健さん(22、筑波大院1年)によると、安保法案通過の際には「賛成議員を落選させよう」と主張するにとどまっていたが、
「民主主義国家の基盤の部分が破壊されていると言ってもいい時代。私たちは立憲主義と民主主義を取り戻す。このことをきちんと選挙の争点にしていかないといけない」
として、野党間の連携を呼びかけた上で、
「統一候補が出るのであれば応援していくなど、様々な形で選挙に具体的に踏み込んでいきたい」
と述べた。
これに加えて「日本の民主主義をどうバージョンアップするか」にも取り組みたいと話す。具体的には、駅、大学、ショッピングモールなどに投票箱を設置するように呼びかけ
「人が多く集まるところに投票箱を設置することで、投票率が上がる。また、その場所で政治を語るきっかけになったりと民主主義のバージョンアップにつながるのではないかと考えている」
と話した。