「清潔好きで親切、そして、心のこもった『おもてなし』が得意」と、外国人にはそう思われている――そんな我々日本人の自信を覆す衝撃の調査が発表された。
「日本人の口臭にガッカリ」「歯並びの悪さにガクゼン」という外国人が7割以上もいるのだ。あなたの「お口」は大丈夫?
東京五輪の「おもてなし」は、お口のニオイ対策から
2015年10月、歯ぐきの健康を推進する団体「オーラルプロテクトコンソーシアム」が「オーラルケアの実態に関する意識調査」を発表した。中でも注目を集めたのは、在日外国人100人に対して行った調査結果だ。「あなたは日本人の口臭にガッカリした経験はあるか」という質問に、「はい」と答えた人が72%もいた。日本人の口臭に不快感を持っている人が多いのだ。
また、「日本人にオーラルケアを徹底してほしいと思うか」という質問には、「非常にそう思う」が24%、「そう思う」が48%と、合わせて72%の人が、「お口のニオイを何とかして!」と望んでいるのだ。最後に、「2020年東京五輪に来る外国人に対して、エチケットの1つとして日本人は口臭の改善を試みるべきだと思うか」という質問には、「強くそう思う」が12%、「そう思う」が31%と、合わせて43%の人が「改善しなさい」と考えていることがわかった。「おもてなし」はまず口臭対策からというわけだ。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、口臭の原因のほとんどは歯周病と舌苔(ぜったい=舌に付く白い苔状のモノ)だ。日本人は35歳を超えると8割以上が歯肉炎も含めた歯周病にかかっているという調査がある。口臭は、鼻のすぐ近くから発するため、本人が気づきにくい厄介なニオイだ。今回の調査では、日本人600人を対象に、「自分が歯周病だと思うか」と質問すると、「歯周病だと思わない」と答えた人が90%に達した。口臭の主要な原因である歯周病について、多くの日本人に自覚がないことがわかったのだ。
テレビに出るタレントのひどい歯並びにショック!
外国人が見て、我々日本人がいかに「お口のケア」の意識で遅れているかを示す調査がもう1つある。矯正歯科の治療器具を販売している「アライン・テクノロジー・ジャパン」が2012年4月に発表した「日本人の歯並びに関する意識調査」だ。外国人の多くが日本人の歯並びの悪さに驚いているのだ。
在日外国人100人を対象に、日本人の歯並びについて印象を聞いたところ、「日本人は歯並びが良い」と答えたのはわずか4%。76%が「歯並びが悪い」と答えた。そして自由な感想を書き込む欄では、以下のような厳しい意見が続いた。
「日本人の通常の健康意識の高さを考えると、歯並びが悪いことに驚きます。テレビに出ているタレントでも、ひどい歯並びの人が多くてショックを受けました」(米国人・30代男性)
「八重歯を可愛いと思う人もいますが、私はそうは思いません。率直に言って、先進国の中で日本は最低の歯並びです」(カナダ人・30代男性)
「日本人は出っ歯と八重歯の人が多い」(中国人・30代女性)
「歯並びが悪いだけでなく、歯の色も悪いと思う」(ネパール人・30代女性)
「歯並びが悪い人は、貧しい家庭の出身で、あまり教育を受けていないと見てしまいます。不衛生な印象を与えてマイナスです」(米国人・50代女性)
どうも我々日本人は、歯を矯正しようという意識に欠けるようだ。東京(日本)とニューヨーク(米国)、上海(中国)の3か所で、歯並び・矯正治療についての意識調査を行うと、「自分の歯並びについて歯科医に相談したことがあるか」という質問に、「相談したことがある」と答えた人は、日本人24%、米国人68%、中国人75%だった。
「ビジネスなど、様々な場面で素敵な笑顔が親切な返答になるのに、残念なことです」というイタリア人・40代男性の言葉を肝に銘じて、外国人の目の前で堂々と笑えるよう、「お口のケア」を心がけよう。