2015年10月23日、内閣府は認知症をテーマにした初めての世論調査の結果を発表した。調査は9月、全国の20歳以上の3000人を対象に面接で行い、1682人(56.1%)から回答を得た。家族や近所付き合いを含めて認知症の人と接した経験のある人は、ない人と比べて認知症を好意的にとらえていることがわかった。
認知症のイメージは、回答者全体では、認知症になっても「医療・介護のサポートを利用して今まで通り自立的に生活できる」が6.8%、「サポートを利用しながら今まで暮らしてきた地域で生活できる」が33.5%で、認知症に対して前向きのイメージの2つの選択肢は計40・3%。接したことがある人(56.4%)でみると計45.5%で、ない人(43.6%)の計33.7%を大きく上回った。
また、認知症になったとしたら、どのような不安を感じるかという質問(複数回答)では、「家族に負担をかけるのでは」が74.9%と突出し、「家族以外の周りの人に迷惑をかけるのでは」も56.5%と多かった。「これまでできていたことができなくなるのでは」(56.8%)、「家族や思い出を忘れてしまうのでは」(55.8%)??など認知症になった自分の不安より、家族や周囲の人への影響を心配する人が多いことがわかった。
一方、認知症になった場合にどうするかでは、「介護施設で暮らすことを希望する」人が47.7%、「今まで暮らしてきた地域での生活を希望する」人が43.7%と結果が二分した。