検討を始めれば、議論が再燃するのは必至
ブーア=ブキッキオ氏の発言は、国連が正式に日本に対して法整備を要求したものではなく、会見の中で見解を述べたものだ。児童ポルノ問題で、規制に反対の立場から発言してきた漫画家の赤松健さんは、ツイッターに「若干バランスを取った」と書きこんだ。
しかし、実際に政府が漫画やゲームを規制対象にすると再び検討を始めれば、議論が再燃するのは必至だ。
たとえば日本書籍出版協会は児童ポルノ禁止法の改正案が参院で可決された14年6月、
「『児童ポルノ』の定義が依然曖昧なまま、『単独所持』が禁止されたことは、児童保護という本来の目的から大きく逸脱し、表現規制に繋がる危険性があり、到底容認できない」
と声明を発表していた。
今回の発言にもツイッターなどネットでは「表現の自由」を理由に、
「取り締まるのは実写だけでいい」
「2次元と3次元を同等にするなよ」
「誰がどう見て児ポと判断して禁止するか曖昧なものには反対」
と反発する声が上がっている。
ただ、実際にネット通販サイトなどを見れば、少女にしか見えないキャラクターが登場する、成人向け漫画やゲームが多数確認できる。「日本人として恥ずかしい」として規制を進めるべきだとするネットの書き込みも少なくない。