ウインナー3本分の加工肉でがんリスク増 WHO発表、食肉業界は反発

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   世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は2015年10月26日、ソーセージやハムなどの加工肉を毎日50グラム食べると大腸がん(結腸がん・直腸がん)などの発症リスクが18%高まる「十分な証拠がある」と発表、過剰な加工肉の摂取に異例の警告を出した。

   50グラムといえば、普通に売られているウインナーソーセージの約3本分にあたる。

日本の国立がん研究センターの調査ではリスク上昇見られず

   IARCが問題視した加工肉とは、塩分を加えたり、薫製にしたりした食肉で、ハムなどのほかにコンビーフやビーフジャーキーも含む。食肉とがん発症に関する約800の論文を分析した結果だとして、今回、加工肉をIARCの「発がん性の危険の基準」で喫煙やアスベストなどと同じの一番高い「グループ1」に指定した。

   また、牛や豚の赤身肉も「大腸がんやすい臓がん、前立腺がんの発症と関係がある」と指摘した。ただし、「赤身肉は栄養価が高いので、危険性と利点のバランスをとった食生活を各国政府が推奨することが重要」としている。この発表に対して、米国を中心に食肉業界で「食生活全体を考慮していない」と反発が広がっている。

   食肉とがんの発症に関しては様々な研究が出ている。日本の国立がん研究センターが2011年に発表した45~74歳の男女約8万人の追跡調査では、肉類全体の摂取量が多いグループでは、男性は結腸がん、女性は直腸がんの発症リスクが高くなった。しかし、加工肉に限った調査では、結腸・直腸がんともリスク上昇は見られなかった。

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