昼食を中心に、食事をヘルシーメニューに変えるダイエットを始めてから1か月がたった36歳会社員、木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)。身長178センチ・体重83.5キロの体型からややスリムになったものの、夜遅い食事や朝食抜きといった日常の食生活の課題も浮き彫りになってきた。
前回、カロリー高めの夜食を避けるために、編集部から夕方に軽く間食するよう「宿題」を出したが、その成果は――。
「安心してください。完食しましたよ」
キヨシさん「いやあ、実は失敗しちゃったんですよ、間食に」
編集部「ええ、いきなりですか? もしかして忘れちゃったとか」
キヨシさん「いえ、きちんと食べましたよ。塩むすびと、いなりずし。特にいなりずしは中にキノコが入っていて、これがおいしくて...」
編集部「ずいぶんタップリ食べましたね。それが失敗だったと」
キヨシさん「違うんです。その日、妻に『夕方に軽く食事するから、夜食の量を減らして』と事前に伝えなかったんです。帰宅したら、テーブルの上にはおいしそうな手料理がズラリと並んでいて」
編集部「ああ、そうか。食べきれなくて奥様に悪いことしてしまったというわけですね」
キヨシさん「安心してください。完食しましたよ」
編集部「......(苦笑)」
間食の目的は「分食」、つまり夜遅くの「ドカ食い」を避けるために夕方に補助的な食事をとって、その分を夜の食事から差し引きバランスをとるためだ。間食をとったうえに夕食もいつもどおり、では分量オーバーとなる。しかも、1週間のうち1日しか間食をとらなかったというキヨシさん。まだ習慣化していないのは明らかだ。次からは軌道修正できるだろうか。
一度は挫折しかけた朝食も、果汁100%ジュース飲み始めた
ただ、キヨシさんの生活に少し変化があった。多忙だった仕事が一段落して、帰宅後の夕食の時間が21時台と以前より早まったのだ。おかげで、これまで敬遠していた朝食に、少しずつトライし始めたという。
休日に家族で買い物をした際に、子どもの分と一緒に「翌朝用に」と、あんパンを購入。次の日、起床後に食べたのはよかったが、「慣れないせいか、出勤後に胃がもたれる感じがして気持ち悪くなってしまったんです」と話す。
キヨシさん「正直『もう食べたくない』と思いましたが、気を取り直して翌日からは果汁100%のジュースを飲み始めました。これなら何とか続けられそうです」
管理栄養士は、朝に何も食べない状態は避けるべきで、ヨーグルトやジュースをお腹に入れるだけでも効果的だと説明する。ジュースの場合は、駅などで見かけるジューススタンドで販売されているものだと、繊維がそのまま取れるので望ましいようだ。それでも、キヨシさんはこれまで朝食を全くとらなかったのだから、今回のチャレンジは一歩前進と言えるだろう。朝食の習慣を定着させるのが、次につながる。
ただ、夕食を減らすに至っていないのは課題だ。今回も、体重は79キロ台をキープできていた半面、体脂肪は最大23.9%と相変わらず下がっていない。やはり「分食」により夜の食事量を軽くしたいところだ。
「ソファー大好き、ソファーが友達」
朝や昼の食事メニューは、キヨシさんが比較的自由に選べる。一方で夜は、自宅で家族と同じものを食べる。自分だけ別というわけにはいかない。育ちざかりの子どもがいるだけに、時にはカロリー高めの場合もあるが、せっかくの愛妻の手料理、食べたくないわけがない。
それだけに分食は徹底したいところだが、目下の課題は体脂肪率の改善となると、やはり有効な手段は「運動」だろう。管理栄養士によると、本格的にスポーツジムに行かなくても、日々のウォーキングで十分効果があがるそうだ。「ランチは歩いて10分の場所を選ぶ、駅で階段を使う、正しい姿勢を維持する、掃除や洗濯といった家事でも、エネルギー消費できます」とアドバイスしてくれた。
編集部「休日は家で体を動かしてますか」
キヨシさん「動かしてません(キッパリ)。ソファー大好き、ソファーが友達ですから」
編集部「そうですか...では週末、ソファーから離れてみてはどうです?」
キヨシさん「いやあ、それは...そうですね、子どもたちにしょっちゅう『どいて』と言われますし、よい機会かもしれません」
せっかくソファーを「諦める」なら、運動する習慣につなげたいところだ。最近では、子どもの塾への送り迎えに片道15分を歩いている、と話すだけに、本当は体を動かすことに抵抗はなさそうだ。
編集部「管理栄養士のアドバイスにあるように、まずは掃除とか洗濯とか、家事のお手伝いというのはどうですかね」
キヨシさん「......子どもと遊ぼうかなぁ」