昭和の時代にリアルタイムで「おそ松くん」を見ていた人たちには信じられないことだが、あの六つ子(6人)のキャラクターが、BL(ボーイズラブ)好きな「腐女子」から大絶賛を浴びている。
ネット上にはラブラブな六つ子の兄弟を描いた、イラストやマンガ、小説といった二次創作が大量にアップされ、その数は日々増えている。きっかけは2015年10月から放送が始まったギャグアニメ「おそ松さん」。大人になった六つ子が登場、大活躍している。
半裸で体を触り合い、顔を近付けあわやキスシーン
「おそ松くん」は故赤塚不二夫さん原作のギャクマンガで、1962年から「週刊少年サンデー」で連載が始まり、66年、88年と2度アニメ化された。赤塚さんの生誕80年の今年が3度目のアニメ化で、タイトルが「おそ松さん」に変更された。6つ子の年齢の基本設定は10歳だが「おそ松さん」では20代前半となっていて、定職に就かずニートのような生活を送っている。イヤミやチビ太、デカパン、ダヨーンといったおなじみのキャラも健在だ。
実は「おそ松さん」、放送前からBL好きの「腐女子」に支持されるのではないか、と話題になっていた。それは六つ子を演じる声優が櫻井孝宏さん、中村悠一さん、神谷浩史さん、福山潤さん、小野大輔さん、入野自由さんと非常に豪華で、人気ぶりは「腐女子」にまで波及していたからだ。ちなみに、BL系18禁アドベンチャーゲーム「学園ヘヴン BOY'S LOVE SCRAMBLE!」が原作となった同名のアニメでは福山さん、神谷さん、櫻井さんと、イヤミ役の鈴村健一さんが声優として出演している。
制作サイドも「腐女子」を強く意識していて、第一話では6つ子を大人気アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」並のイケメンで登場させ、舞台で歌い踊らせたほか、兄弟が半裸になりお互いの体を触ったり、抱きついたり、顔を近づけあわやキスといった際どいシーンを連発させた。
6つ子の通う学校「私立おそ松学園」では「BL制」を敷いている、といったテロップも出た。ただし、BLをはっきり意識したのは1話の途中までで、2話、3話ともにキャラも「普通」に戻り、赤塚ギャグ・パロディーを連発させている。