「喋らなければ、誰も手助けしてくれないですからね」
当初、砂川さんは、
「イメージの問題もあるし、うちのことを公表するのはいやだと決心しかねていた」
として公表には否定的だったが、介護に関する著書もある友人の毒蝮三太夫さん(79)の勧めもあって公表に踏み切った。出版で「とっても楽になった」といい、記者から「最も辛かったこと」について聞かれると、
「正直に言えなかった、うそついてた。喋っちゃってほっとした」
と振り返っていた。
家族に認知症の人がいる人に対しては、病気を公表することで周辺の助けを得やすくなると説いた。
「一番大きなことは、ひとりで背負わないこと。みんなに喋っちゃった方が(いい)。これだけ多くの認知症の人がいるわけだから、隠したってしょうがないし、みんな理解してくれるだろう。話すことによって、助けてくれる人もいるだろうし。喋らなければ、誰も手助けしてくれないですからね」