日本酒には以前から材料の1つである、米麹(こうじ)がシミやソバカスの原因となっているメラニン色素を抑制する「美白効果」があることは知られていたが、「うるおい肌」の元の「しっとり」保湿機能を持つ成分があることが金沢工業大学の研究でわかった。
同大の尾関健二教授のチームが2015年7月1日、発表した。
米どころで銘酒生む地域に美人多いが...
尾関教授らが発見したのは、日本酒に含まれるうまみ成分である「α-エチル-D-グルコシド(α-EG)」。低濃度でも水分保持効果があり、飲用しても保湿効果が得られる。α-EGは麹菌によって作られる糖質で、日本酒に0.3~0.5%程度含まれ、甘みや苦み、辛みが混ざった独特の味を持ち、酒の風味や香りとなる。
今回の研究の結果、0.03%という低濃度のα-EGでも、肌に塗ってから15分から2時間という短時間で速効性のある保湿機能を発揮した。また、塗るだけではなく、飲んでも皮膚の大部分を占める真皮層の細胞数を増やし、保湿効果が高いコラーゲンの生産量を増やすことがわかった。
米どころで日本酒がおいしい「金沢」「新潟」「秋田」は美人が多いのが通説になっているが、このα-EGの美肌効果が関係あるのだろうか。