不登校の子に多い「慢性疲労」は脳の一部が働き過ぎ 理研が発表

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   不登校の子どもは、原因不明の疲労や睡眠障害により学校に行けなくなるケースが多いが、こんな「小児慢性疲労症候群」の患者の脳を理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターが調べたところ、脳の一部が過剰に活性化して疲れていることがわかり、2015年10月25日に発表した。

   小児慢性疲労症候群は、3か月以上にわたって疲労や倦怠感、睡眠不足などが続く症状で、いじめなどのはっきりした理由がないのに、学校生活が送れなくなり、不登校になる子供に多くみられ、子どもの1%が発症するといわれる。

   チームは、患者15人(平均年齢13.5歳)と健常児13人(同12.2歳)に「注意配分課題」テストを受けてもらい、機能的磁気共鳴画像装置を使って脳の活動を調べた。「注意配分課題」とは同時に2つのことを遂行するもので、ひらがなで書かれた物語を読ませ、「かなの中で母音だけを拾うこと」と「物語の内容を理解すること」をできるかどうかチェックした。

   すると、健常児は思考をつかさどる前頭葉の左側だけが活性化したが、患者は左右両側とも活発に活動していた。これまでは、患者は疲労によって脳が活動しなくなっていると考えられてきたが、むしろ、脳機能の低下を補うために過剰に活動させていることが疲労の原因とわかった。

   小児慢性疲労症候群は、患者や家族が病気と認めないケースが多い。チームでは「画像で脳の状態を見せることで、治療と向き合うきっかけになれば」としている。

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