コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートと、4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの経営統合が、ようやく基本合意に達した。
実際の統合は2016年9月だが、両社を合わせるとコンビニの店舗数は1万8000店規模となり、最大手のセブン-イレブン・ジャパンと並ぶことになる。これまで2位だったローソンとともに、コンビニは「3強時代」に突入することが鮮明となり、大手同士の競争がさらに激化することになりそうだ。
セブンと並ぶ1万8000店に
ファミリーマートの中山勇社長と、ユニーの佐古則男社長は2015年10月15日、東京都内のホテルでそろって記者会見し、「国内最大級の店舗網を構築でき、スケールメリットとシナジー効果で質的向上を追求したい」「新たな流通グループをつくる」などと語り、統合効果をアピールした。
全国で1万1000店超を展開するファミリーマートがユニーとの統合に踏み切ったのは、コンビニ業界で生き残っていくには、店舗網の拡充が決定的な意味を持つためだ。コンビニ各社はそれぞれ独自商品を開発して差別化を図っているが、商品開発を進める上では店舗数が多く、販売力が高いほど飲食料品メーカーなどとの連携がしやすくなる。
また、コンビニは生活必需品をそろえているだけでなく、電気・ガス料金の支払い、税金の納付、荷物の受け取りなどができ、社会インフラとしての存在感が高まっている。ネット通販や物流会社など他業界と連携して利便性や集客力を高めるためにも、巨大な店舗網が不可欠となる。
トップのセブン-イレブンが自前で店舗数を増やしているのに対し、ファミリーマートはサークルKサンクスを取り込むことで規模を一挙に拡大する道を選んだ。全国で約1万2000店を展開しているローソンも手をこまねいているはずもなく、中堅コンビニのポプラに5%出資し、同じくスリーエフとの提携交渉も進めるなど、一段の規模拡大を模索している。三者三様の戦略で店舗網を拡充し、しのぎを削っている。競争が激化するほど新たな商品やサービスが生まれやすいという意味では、消費者にとってもメリットが期待できそうだ。