お化けカボチャや魔女のハット――。 町がハロウィンをイメージした色鮮やかな装飾に彩られるなか、商戦が熱を帯びてきた。
日本記念日協会・記念日文化研究所によると、2015年のハロウィンの市場規模(推計)は前年比11%増の約1220億円。14年のバレンタインデー市場(約1080億円)を上回り、11年の560億円からわずか4年で倍増した。
日本製は品質がよく、楽しさや面白さが高く評価される
町がいよいよ「ハロウィン」ムードに包まれてきた。今年は、本番の2015年10月31日が土曜日と重なることもあって、例年にも増して盛り上がりが期待される。若者の町、東京・渋谷や六本木などでは、コスプレや仮装パーティーに繰り出す多くの人でにぎわうとみられる。
年々盛大になる「ハロウィン」市場だが、2015年はその規模がついに1200億円を超えた。日本記念日協会・記念日文化研究所によると、1220億円の市場規模は同協会が推計している記念日の中で、過去に「クリスマス」と「バレンタインデー」の二つだけしか記録していない。
いまやハロウィン市場は、日本人一人あたり約1000円(人口1億2685人、総務省調べ)の、巨大な市場に「大化けした」というわけだ。
一般にハロウィンは、子どもたちが仮装して「Trick or Treat」と近所を回って、菓子をもらうイベントとされていた。ところが、最近の日本のハロウィンは欧米とは異なり、宗教的な祭事色や子どものイベントではなく、若者や家族、地域などが主体的にかかわっている、日本独特のイベントに様変わりしているようなのだ。
日本記念日協会は、仮装という非日常を体験できる自由な祭りを人々が求めていたことや、東日本大震災以降、家族や地域の結びつきの大切さを実感したい人が増えたこと、友だちやグループなどの誰もがイベントに手軽に参加したり見たりできること、また商業的にもパッケージを「ハロウィン」仕様にしたり、料理に「ハロウィン」メニューを用意したりする店が急増するなど、世代や地域、産業を超えて幅広く参加できる点が急成長の原動力となったとみている。
さらに、魔女やゾンビ、キャラクターのコスプレのパレードなど「絵になる」要素が多いことがメディアやソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に乗りやすかったこともある。
同協会は、「最近は日本のハロウィン・グッズが世界中で売れています。それらはSNSなどで発信されていて、海外でも日本製は品質がよく、また楽しさや面白さが高く評価されています。『日本のハロウィン』として広がっていて、わざわざこの時期に訪れる外国人観光客が増えているほどです」と説明する。