あおりを食った中小企業、学生は「ルール関係ない」
一方で、ルール変更のあおりを食ったのが中小企業だった。これまでは大企業が一段落ついた後に中小企業の採用活動となっていたのが、今年は順番が逆転。大企業から内定をもらった学生が、先にもらっていた中小企業の内定を辞退するケースが増加し、追加募集しなければならなくなり、ここでも採用活動が長期化した。
中小企業の不満は大きく、その代表である日商の三村会頭は「このまま継続するのはまずいと思い、勇気をもって改定する提案をした」と面接解禁日の見直しを求めた。ただし、会社説明会の解禁日については2017年春採用については現行の3年生の3月のままで構わないとのスタンスで、2018年春採用からの就活について、政府や経団連などが検討会を設置し、改めて決めるように求めている。
日商の提案を受け、経団連の榊原定征会長も「一つのやり方だと思う」と述べ、見直しを検討する考えを示した。
こうした一連の「就活期間見直し」の報道を受け、就活を終えたばかりの現大学4年生からは「最初から変えなくてよかった」「来年もこのままでいい」「誰トクだったの?」と恨み節のような指摘が出る一方、影響を受ける現3年生からは「見直すなら急いで」といった切実な声と、「ルールなんてあまり関係ない」という冷ややかな意見が交錯している。