日本よりも米国での販売がビジネスのカギ
これに対して、2015年5月発売の4代目マツダロードスター(国内販売計画、月間500台)は、モデルチェンジ効果で6月は1246台、7月は951台、8月は1051台を国内で販売。8月は米国の1344台と合わせ、日米で2395台となり、86/BRZをリードする。
4月登場のホンダS660(同800台)も好調で、7月は1155台、8月は858台を販売したが、同社の先輩格、ホンダCR-Z(同100台)は7月71台、8月3台と振るわなかった。世界初のハイブリッドスポーツカーとして誕生したCR-Zだったが、2010年2月のデビュー直後こそ国内月販2000~3000台と好調だったものの、86/BRZの登場やロードスターのフルモデルチェンジであおりを受けた格好だ。
日本のスポーツカービジネスは、国内市場だけでは成立が難しく、世界最大の市場である米国でコンスタントに販売台数が出なければ存続できない。国内では8月73台にとどまった日産フェアレディZだが、米国では635台を販売。ホンダCR-Zも米国では8月に333台を販売している。
とはいえ、スポーツカー市場は、国内はもちろん、最大の米国でも販売台数は限られており、日米合わせ、月販数百台の競争となる。トヨタが86/BRZの弟分を投入することで限られたスポーツカーのパイを奪い合うことにならないか。ファンとしては気になるところだ。