元アイドル「菊池桃子」を目玉の民間議員にした安倍政権 彼女は「一億総活躍国民会議」で何を訴えるのか

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   元アイドルでタレントの菊池桃子さん(47)が政府の目玉政策のひとつ「一億総活躍国民会議」の民間議員に選ばれた。菊池さんの大学での雇用政策の研究活動や短大の客員教授の実績などが評価されたためだが、ネット上では、話題作りに終わらないのかとの指摘も出ている。

   「偏らず、多様な意見が存在することを意識して意見交換をしていきたい」。菊池さんは、選出された2015年10月23日、こんな言葉でブログをつづった。

  • どんな提言をするのか
    どんな提言をするのか
  • どんな提言をするのか

映画「パンツの穴」に出演したアイドル

   国民会議では、安倍晋三政権の目指す「一億総活躍社会の実現」に向けて具体策を話し合う。民間議員には、菊池さんを含め、学識経験者、経済界代表、福祉関係者ら15人が名を連ねている。

   報道によると、10月29日に初会合を開き、11月にも緊急対策をまとめる予定だ。16年春には、「ニッポン一億総活躍プラン」を作成することになっている。

   元アイドルの菊池さんが選出されたことに、ネット上では、40~50代の往年の男性ファンらからお祝いや励ましの声が上がっている。とはいえ、話題になるのは、アイドル歌手としてデビュー当時に脚光を浴びた映画「パンツの穴」出演や、その後の意表を突いたロックバンド「ラ・ムー」の結成といった、アイドル時代のことが中心だ。

   民間議員として選ばれたことについても、「人寄せパンダかよ」「何がしたいのか全くわからんw」「活躍できない1人になる予感」などと冷ややかな声も多い。

   菊池さんは、国民会議で一体どんなことを訴えようとしているのだろうか。

   プロゴルファーの西川哲さん(47)と離婚後、菊池さんは、シングルマザーとして1男1女の子育てと芸能活動を両立させてきた。

   菊池さんがメディア取材に答えたところなどによると、長女が乳児期の脳梗塞で手足に後遺症を持ち、将来に不安を持ったことがきっかけで、雇用やキャリアの問題を考えるようになった、という。

「キャリア権」基本法制定が持論らしい

   菊池さんは、2009年に法政大大学院に入学して雇用政策を学び、修士号も取得した。その研究成果が評価されて、12年からは、母校の戸板女子短大の客員教授に就任した。

   また、13年には、NPO法人「キャリア権推進ネットワーク」の理事にもなっている。ここで菊池さんが唱えているのは、自分の働き方を主体的に選べる「キャリア権」というものだ。国際化が進む中で終身雇用が崩れており、どこの企業に就職するかより、いかに自分のキャリアを磨くかが大切だ、という。

   今後の雇用政策としては、小中学校時代からキャリア教育を行い、キャリア権の基本法を制定するように働きかけたいとしており、一億総活躍国民会議でも、こうしたことを訴えるようだ。

   ただ、一億総活躍という目玉政策は、希望出生率1.8やGDP600兆円などの目標が掲げられているものの、政府が会議を通じて具体的に何をしたいのかは明確ではない。与党幹部からも、その担当相について、「あんな閣僚にならなくてよかった」との言葉も飛び出したほどだ。識者らからは、一億総活躍という言葉は戦前の全体主義的な考え方などを連想させるとの指摘も出ている。

   そんな中で、菊池さんが説く、個人のキャリアに重きを置く政策への転換がどこまで受け入れられるのか

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