「キャリア権」基本法制定が持論らしい
菊池さんは、2009年に法政大大学院に入学して雇用政策を学び、修士号も取得した。その研究成果が評価されて、12年からは、母校の戸板女子短大の客員教授に就任した。
また、13年には、NPO法人「キャリア権推進ネットワーク」の理事にもなっている。ここで菊池さんが唱えているのは、自分の働き方を主体的に選べる「キャリア権」というものだ。国際化が進む中で終身雇用が崩れており、どこの企業に就職するかより、いかに自分のキャリアを磨くかが大切だ、という。
今後の雇用政策としては、小中学校時代からキャリア教育を行い、キャリア権の基本法を制定するように働きかけたいとしており、一億総活躍国民会議でも、こうしたことを訴えるようだ。
ただ、一億総活躍という目玉政策は、希望出生率1.8やGDP600兆円などの目標が掲げられているものの、政府が会議を通じて具体的に何をしたいのかは明確ではない。与党幹部からも、その担当相について、「あんな閣僚にならなくてよかった」との言葉も飛び出したほどだ。識者らからは、一億総活躍という言葉は戦前の全体主義的な考え方などを連想させるとの指摘も出ている。
そんな中で、菊池さんが説く、個人のキャリアに重きを置く政策への転換がどこまで受け入れられるのか
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