中小企業に増える、70歳以上でも働ける会社 「人手不足」に加え、「年金だけでは不足」も理由

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「仕事への姿勢などは若手に見習ってほしい」

   一方、高齢者からみれば、厚生年金の支給開始年齢の引き上げは、大きな「働く」きっかけになっている。年金の財源不足の問題から、厚生年金の受給開始年齢は2013年度から25年度(女性は5年遅れ)までに60歳から65歳に引き上げられる。企業が定年制を65歳以上にしたり、継続雇用制度を設けたりするのも、年金支給の年齢引き上げに対応するためだが、「働かなくては食べていけない」と考える高齢者は少なくない。

   そうした中で、高齢・障害者雇用支援機構は「70歳いきいき企業100選」で、70歳以上の従業員が働いている企業を紹介している。食品加工業や外食、病院や介護サービス、運送・タクシー業、清掃・ビルメンテナンス、縫製業などの70歳定年制や定年を設けていない企業だ。

   体力低下や仕事内容に応じて賃金を抑えたり、非正規社員での雇用が多かったりするが、中小企業では専門的な知識を必要とする職場や技術職、年季を経て熟練を要する、いわゆる職人肌の高齢者が正社員として雇われているケースも少なくない。若者が敬遠しがちな職場が目立つようでもある。

   72歳の男性が勤務する、ある清掃業者は「休みが少なく、遅刻するようなこともない。仕事への姿勢などは若手に見習ってほしい」と高く評価する。

   半面、ある運送業者は「体力的なこともありますからね。現役のように、すべての仕事を任せられるかといえばそんなことはありません。勤務時間を短縮したり交代制を導入したり、設備を整えたりしてようやくです。それでも勤められるのは長くて4、5年。なかなか厳しいです」と漏らす。

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