アルツハイマー病はくい止められる 9年間頑張っている『希望の星』の3つの秘密

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「キョウイク」と「キョウヨウ」のある生活を

   もう1つ、前田さんが30年間続けてきた「社会参加」がある。陸上競技大会の運営スタッフのボランティアだ。仲間にも病気を公表した。「テント、どこだっけ?」。迷う前田さんを仲間がさりげなくサポートし、置き場所に連れて行く。美保子さんがいう。「周囲の理解があったから長く続けられました」。社会参加がいかに大切か、東海林医師が説明する。「隠しておきたい人が多いですが、家に引きこもっていると、どんどん介護される側になっていきます」。

   2014年7月、発症から8年目。57歳で転機が訪れた。会社の仲の良い人々が次々と辞め、体力的にも続けるのが辛くなり、休職した。行き場所がなくなり、こもりがちになった。物忘れが激しくなった。新聞を取りに行く途中で何をするつもりだったのか、分からなくなる。2015年5月、9年目。新たなボランティアを2つ始めた。1つはデイサービス施設のスポーツの手助け。ジムの機械の扱いは陸上競技のボランティアでお手の物だ。もう1つは、近所の認知症カフェで、コーヒー豆をひいてふるまう。部屋のカレンダーは予定がいっぱい書き込まれている。笑顔が戻った。

萩本「コレ、盛り返しのVTR? オレ、年取ったら『明日会いに行くよ~』と答えたいなア」。
秋山さん「『キョウイク』と『キョウヨウ』が大事だといいますよね。『今日行く場所がある』『今日用がある』という生活です」。

   米国アリゾナ大学が開発したアルツハイマー病の進行阻止のプログラムも映像で紹介された。学生と患者がペアを組み、一緒にスポーツジムでトレーニングしながら会話を楽しむ。開発したシャロル・アーキン教授がいう。「外に出ることが大事。家に介護者といると、会話は『夕食は?』『着替えた?』『顔洗った?』と生活のことばかり。学生たちは対等の相手として普通の会話をします。社会との交流や若い人のふれあいが言語能力、つまり脳を鍛えるのです」。

   番組の終わりで、前田さんが言った。「(2020年の)東京オリンピック見たいです」。萩本が言った。「頑張りましょうよ! 陸上のボランティアはオリンピックの競技場でやってよ」。

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