福島原発「白血病」作業員に労災認定の波紋 海外では「巨額訴訟への道開く」と大注目

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労災認定でも、厚労省「科学的に被ばくと健康影響の因果関係が証明されたものではない」

   一方で厚労省は

「白血病の労災認定基準は、年間5ミリシーベルト以上の放射線被ばくをすれば発症するという境界を表すものではなく、労災認定されたことをもって、科学的に被ばくと健康影響の因果関係が証明されたものではない」

とも説明している。

   要するに、

   ――認定基準を満たし、原発作業以外の積極的な要因は見当たらないので労災認定したが、だからと言って被ばくと健康影響の因果関係が証明されたわけではない――

と言いたいようだが、分かりにくい説明だ。

   国外でもこの労災認定のニュースは大きく報じられている。特に、今後作業員の発病が増えるリスクを指摘するものが多い。AP通信は

「この男性の被ばく量は、広く知られている原発作業員の制限値を下回っていたため、今回の事例は、今後発生するがんの事例の警告になり得る」

と報じている。作業員の年間の被ばく限度は50ミリシーベルトだ。

   CNNは、

「これは国際原子力機関(IAEA)にとって大きな打撃になる。IAEAは15年9月に、事故による放射線被ばくが原因の識別可能な健康への影響はないだろうと言っていた」

とするグリーンピースのコメントを引用。米国のABCテレビは労災については触れず、

「日本政府は福島原発に関連したがんの最初の事例を確認した」

として、

「専門家は、今回の件が巨額訴訟への道を開くことになるだろうと指摘している」

と報じた。

   原発事故を理由に一部の日本水産物を輸入禁止にしている韓国では、共同通信を引用しながら淡々と伝えているメディアがほとんどだ。

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