試験問題の冒頭が「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある」 放送大学は不適切だとして学内サイトから削除

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削除措置は放送法第4条に基づいて行った

   前出部分については、「戦前・戦中期の美術について、いまに生きる自身の問題として考えてほしいという受験者へのメッセージ」として必要な導入部であり、安保法案への反対を表明しているわけではないという理由からだという。しかし、削除撤回が受け入れられなかったため、佐藤康宏教授は、15年度いっぱいで客員教授を辞めることを大学側に伝えた。

   毎日新聞の記事では、大学側の削除措置について、「異常な反応だ」「『検閲』に無自覚」といった識者の批判的なコメントが紹介されており、「一般的に担当教員の裁量があるとされる単位認定試験に対し、今回の大学側の対応は論議を呼びそうだ」とあった。  放送大学の総務部長は、J-CASTニュースの取材に対し、削除措置は「政治的に公平であること」などをうたった放送法第4条に基づいて行ったと説明する。

「確かに、問題文は放送されませんが、公平さが求められる授業を元にしており、その習熟度を評価する試験も公平さが求められます。政権への批判は言ってはいけないということではなく、意見が分かれる時事的な内容については、批判だけを取り上げずに公平な書き方をすることが必要だということです。先生には、一方的な自説を述べることからの是正をお願いしており、異常な対応などではなかったと思っています」

   一方、佐藤教授は、「政治的中立とは政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではない」と小冊子「UP」の中で述べている。

   ネット上では、大学側の対応について、賛否両論になっている。

   大学側に批判的な書き込みとしては、「また自主規制という名の言論統制か」「表現の自由が侵されている証拠だな」といった声が上がった。一方で、「教授よりも、学生の方がはるかに冷静で常識的w」「放送大学の対応は正しい」などとする向きも多かった。ヤフー・ニュースが行っている意識調査でも、10月20日夕現在で賛否がほぼ半々になっている。

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