高須クリニックの高須克弥院長(70)の「暴論」が止まらない。今度はツイッターで、「アンネの日記」に噛みついた。
しばしば大胆な発言をすることで知られる高須院長だが、2015年10月19日のツイッターでは「創作です。捏造はすでにばれました。アンネは日記を書いていません」とつぶやいた。
「当時のドイツにはボールペンはありません」
高須克弥院長はツイッターで、アンネ・フランクが日記を書いていないとする理由についても、
「アンネのサインと日記の字は全く違います。子供にあんな名文は書けません。アンネの日記はボールペンで書かれていますが、当時のドイツにはボールペンはありませんでした。ボールペンは後世の発明品です」
と説明している。
高須院長のいう「アンネの日記」ねつ造説に、インターネットでは、
「幼い頃読み涙しました。あの物語が本当に創作なのでしょうか...?」
「びっくりです。オランダで見たアンネの家も捏造なのですか?」
「え!!!先生、それは本当ですか! 最近の話だとアンネ・フランク本人のサインと『アンネの日記』の原稿の筆跡が違うとか? 誰かが口述筆記させていた? 収容所の中でそんなことができるのでしょうか?」
との驚きの声もある。
しかし、
「『アンネの日記』はぜんぜん捏造ちゃうよ。ネット上の情報だけで判断するのはすごく危険やで。そもそも、『アンネの日記』の巻末には捏造説に対する反論としてちゃんと科学的検証に関する経緯も掲載されとる」
「『アンネの日記』捏造説も、凡庸なホロコースト否認論のコピーやね。とうの昔にコテンパンに反論されとるでー」
と、「ねつ造説」に異を唱える声も多数寄せられている。
「アンネの日記」は、ユダヤ人少女のアンネ・フランクがナチス・ドイツによるユダヤ人の弾圧下の生活を描いた。第2次世界大戦後、ドイツの残虐行為が明らかになるにつれて反戦・平和運動の必読書としての地位を得ていった。2009年7月には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界記憶遺産」に登録されている。
アンネの日記は「連合国のプロパガンダ」?
そんな一方で、「アンネの日記」はユダヤ人虐殺のホロコースト否認論者などからは、日記の信ぴょう性が疑問視されている。
日本でも2014年4月に、東京都内の図書館で「アンネの日記」や関連書籍が相次いで破られた事件が起こった。この事件では器物損壊容疑などで逮捕された無職の男(36)が、「アンネ・フランク自身が書いたものではないと主張したかった」という趣旨の供述をしていたとされる。
ちなみに、真贋についてはオランダ国立法科学研究所などが1980年代に、インクや筆跡の鑑定結果から本人の著作と結論付けているという。
とはいえ、高須克弥院長の発言は収まらない。
ツイッターでは、
「連合国のプロパガンダ。とにかく枢軸国は人道に反する罪を沢山犯しているから反省させ矯正すべきであると後世の子孫に教育して2度と復習(注:復讐)しないように工作してるんだよ」
と語り、「アンネの日記」が政治的に利用されているとみている。
さらには、
「南京大虐殺もアウシュビッツのガス室での虐殺も同じ構図だ。一方的な又聞き情報は疑うのが科学者の正しい姿勢だよ。僕を納得させてくれたら疑わない」
との持論を展開。中国がユネスコの世界記憶遺産に申請した、旧日本軍による「南京大虐殺」に関する資料が、信ぴょう性が疑わしいにもかかわらず登録されたことに、腹を立てているように見受けられる。
なにしろ、高須院長はこれまでも「ヒトラーは無私の人。ドイツ国民が選んで指示してた。ドイツそのもの」とツイートするなど、その爆弾発言には驚かされるばかりだ。