屋台で酒を飲まずに帰る人たち おでんが「酒の肴」から「おかず」に

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   昔から冬の屋台の定番と言えば「おでん」。大根、ちくわなどおでん種をつまみながら、日本酒が温まるのを待つ。そんな楽しみ方は昔の話になるかもしれない。

   最近は、お酒を注文せず、おでんだけ食べて帰る人が目立つのだという。

  • 若者の酒離れはおでん屋台にまで影響が出ている?
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「おでんはほぼ原価で販売している」と悲鳴を上げる店主

   群馬県前橋市天川大島町の駐車場にあるおでん屋台の「きこり」。この場所はもともとラーメン屋台「好(ハオ)」があり、その隣に店主の小池剛義さんがラーメン屋台との相乗効果を狙って2015年5月に始めたものだ。15年9月からは金曜日と土曜日に店を開けている。客層は20代から60代の男女と幅が広い。賑わっているが、利益の柱になるはずの酒類の注文が少ない。「酒離れ」が言われる若い層だけでなく、年配者も頼まない。もちろん酒を飲みながら1時間半ほど屋台を楽しむ人はいる。ただ、おでんだけ注文して15分くらいで帰って行ったり、女性2人で来ておでんとジュースを頼んだり、ノンアルコールビールを飲んだりしている。だいたい客の半分ほどが「ノンアル」だ。これには店主の小池さんも驚いていて、

「おでんはほぼ原価で提供している状態ですので、お酒を注文してもらわないと利益が出ません。せめてワンドリンクは、と言いたいのですが、強要するわけにはいきませんし、このままではかなり苦しい」

と窮状を説明する。ラーメン屋台との相乗効果が出ていることが救いだという。なぜお酒を注文しないのか。おでん屋台は珍しいので雰囲気だけ味わって帰ろうとする人や、屋台でお金を使いたくないと考えている人もいる。さらに、大きいのは「コンビニのおでん」の影響なのではないか、と小池さんは考えている。酒の肴ではなく、おでんそのものでお腹を満たすという若者も多い。屋台のおでんにお酒は付き物だという感覚が薄くなってしまっているのだろう、というのだ。

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