東京のマンション、2020年五輪後の「大暴落」説の根拠 庶民は大幅値下げを待てばいいのか?

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いまは買いどきか、売りどきか

   都心マンションの「大暴落」説がささやかれる背景には、こうした日本人富裕層と外国人投資家という「買い手」の存在がある。

   現状で自分が住んでいないのだから、売却しても困ることはないからだ。投資した資金が回収できなくなる恐れはあるが、ある程度の損を見込んでいるのであれば、売却するタイミングさえ間違えなければいい。先々、資産価値が下がるとわかっていて保有し続ける投資家はいないので、そのタイミングが重なると大暴落が起こるという見方をする不動産関係者が出てきたのだ。手が届かなかった庶民にとっては朗報といえなくもない。

   もちろん、これに異を唱える見方もある。ある不動産アナリストは「価格は緩やかに下がる可能性はあっても、大暴落する局面は、なかなか想定できませんね」と話す。

   そもそも、マンション価格が変動する主な要因には人口の増減がある。東京都心部は転出する人よりも転入する人のほうが多い「転入超過」エリアなので、「マンションの急激な需要の減少は考えづらく、不動産価格が暴落するとは言いにくい」という。

   ただし、日本全体の人口減で首都圏の住民も減りはじめれば、それをきっかけに供給過多に陥る可能性がないとはいえない。

   この不動産アナリストによると、都心マンションは消費税が10%に引き上げられる予定の2017年4月前の駆け込み需要までは「このまま推移する」とみている。「10%増税以降は、新築マンションの分譲戸数が大きく減少するので、価格はそれほど大きく下がらないでしょう」と予測。「仮に下がるとすれば、2016年9月の経過措置(消費税8%で購入できる期限)終了後は、東京都心の高額物件は供給がほぼなくなるので、一時的な下落は起きる」と話す。

   ただ、「大手デベロッパーが価格を下げて販売することもありません」と指摘。2000年代半ばの不動産ミニバブル後に起った「投げ売り」で、マンションの大幅値下げを期待するのはやめたほうがいいという。

   いま買うべきか、売るべきか。見方は交錯している。

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