発売60年、トヨタのクラウンは手探りで進む 走りの良さアピール、40~50代狙うが...

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   トヨタ自動車の高級セダン「クラウン」が2015年、発売から60年になり、「還暦」を迎えた。

   20世紀に生まれたクルマの多くが生産終了となるなか、「いつかはクラウンに」(7代目、1983年)などの名キャッチコピーを送り出しながら14代目までフルモデルチェンジを重ね、今も現役というトヨタの中でも珍しい存在となった。トヨタを象徴するクルマでもあるクラウンは還暦をとなってもさらに進化をとげている。

交差点での事故防止無線システムを世界に先駆けて搭載

クラウンの行く末はトヨタも手探り(画像はトヨタのプレスリリースより)
クラウンの行く末はトヨタも手探り(画像はトヨタのプレスリリースより)

   10月1日、トヨタはクラウンの「アスリート」「ロイヤル」シリーズを一部改良して発売した。交差点での事故防止無線システムをトヨタとして世界に先駆けて初めて搭載(オプション・約3万円)したほか、ターボチャージャー付きエンジンのバージョンを追加。クラウンにターボ車が加わるのは2003年以来、約12年ぶり。走りの良さをアピールし、60代のメーンユーザーより若い40~50代への浸透を目指す。価格はアスリートが388万円、ロイヤルが373万円から。

   交差点で事故防止を図るシステムは、「ITS(高度道路交通システム)コネクト」と呼ぶ。ITSコネクトに対応できる交差点にITSコネクトを搭載したクルマが入るとこんな具合だ。例えば右折レーンで右折の機会をうかがう状況で、対向車や歩行者がいるにもかかわらず進もうとすると、ブザーや画面表示によってドライバーに警告を発する。こうした専用の無線通信によるシステムが実用化されるのはトヨタによると世界初という。クルマや人を感知する専用装置が設けられた交差点は愛知県や東京都に約20か所あるのみで、インフラの充実が待たれるところではある。それにしても、実用化の第1段としてクラウンに搭載したことをみても、トヨタのクラウンにかける思いの大きさがうかがえる。

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