「腸内環境を整える」「免疫力を高める」など健康に良い食品として注目されているヨーグルト。そのさらなる「効果」が、海外からもたらされた。
米栄養学会誌「Journal of Nutrition」電子版に2015年8月19日付で掲載された研究論文によると、ヨーグルトをはじめ低脂肪の乳製品を頻繁に食べている高齢者は、メタボリックシンドローム(メタボ)の発症リスクが低下するという。
「脂肪抜かないヨーグルト」でメタボリスク78%減
スペインのロビラ・イ・ビルジリ大学、ナバラ大学などによる共同研究チームは、2003~09年の間にメタボと診断されなかった55~80歳の1868人について、2010年まで身体測定や血液検査、運動量測定、食習慣に関するアンケート調査を毎年実施した。そのうえで、乳製品をよく食べている人とそうでない人のメタボ発症リスクを比較した。
結果は、低脂肪ヨーグルトをよくとっている人は発症リスクが73%減った。脂肪を抜いていない「全脂」ヨーグルトではさらに低下して78%減。低脂肪乳を飲んでいた人は80%減となった。半面、全脂チーズをよく食べていた人の場合は、リスクが31%増だった。
夜に食べてダイエット効果期待
ところで日本国内では、ヨーグルトを定期的に食べている人はどれほどいるだろうか。クチコミサイト「腸内改善ラボ」が2015年9月11日~9月17日、同サイトユーザー190人を対象に実施したインターネット調査によると、「毎日」と答えた割合が55%に上り、「1週間に数回」も28%となった。調査の対象者のうち女性が97.9%だったことを考えると、女性の間ではヨーグルトが食事の一部になってきたことが垣間見える。
食べる時間帯は、「朝食時」が最も多く50%だった。一方で「夜食」が17.9%、「夕食時」が15.8%に上った。眠っている間に腸が活発に働くため、ヨーグルトを摂取して腸内環境を整え、「ダイエット効果」を期待して夜に食べる人も少なくないようだ。