移住狙い北海道で宅地「投げ売り」 1平米1円、100坪980円、無償も・・・

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   「田舎で暮らしたい」と考えている人が増えているなか、北海道で宅地が「破格」の値段で売り出されている。

   北海道深川市は2015年10月1日から、市が保有する宅地を1区画980円で販売しはじめた。北海道によると、移住促進のために土地や住まいをこれほど「破格」で提供している自治体はめずらしく、道内に3か所しかないという。

  • 北海道深川市の宅地、移住を条件に約100坪が980円也!(画像はイメージ)
    北海道深川市の宅地、移住を条件に約100坪が980円也!(画像はイメージ)
  • 北海道深川市の宅地、移住を条件に約100坪が980円也!(画像はイメージ)

契約後1年半以内に家建て、住民登録することが条件

   深川市が販売しているのは、道央自動車道・深川インターチェンジに近い音江町「緑が丘団地」の2区画と、JR納内駅に近い納内町「ビオス四季の里」の7区画。1区画は100坪(330平方メートル)前後。固定資産評価額が82万~124万円というから、980円はまさに「破格」だ。

   ただし、これには条件がある。契約後18か月以内に床面積70平方メートル以上の住宅を建てて、住民登録しなければならない。

   深川市の人口は2万2026人(8月末現在)。これまでも、「ふかがわ1Dayツアー」や「ふかがわお試し移住」などの体験プログラムを用意したり、移住者には記念品として1万5000円分の商品券をプレゼントしたりと、移住・定住の促進に手を打ってきた。しかし、人口減少になかなか歯止めがかからないため、ついに宅地の格安販売に乗り出したというわけだ。

   980円での宅地販売は、移住・定住を進めて過疎化に歯止めをかける狙いがある。

   深川市は「旭川へは通勤圏内で、クルマで20~30分。ゆったりと暮らせます」と話す。市民でも購入できることもあり、ホームページやポスター、新聞の折り込みチラシなどでPRした。

   道内外から、すでに30件近くの問い合わせが寄せられていて、「首都圏や、遠くは関西からもありました」という。

   深川市の思い切った行動にインターネットでは、

「田舎暮らしをはじめるには、住まいの確保が絶対条件。検討してみる手はある」
「近くにスーパーやコンビニは?弁当屋に本屋とビデオ屋も。そんなに田舎じゃないぞ。移住しようかなぁ」
「意外と新しい造りの家が多いね。どんな人が住んでんだろ」

と、前向きな声がある半面、

「土地980円でも、建物は2500万円。冬はマイナス20度で屋根の雪おろしに暖房代にン万円? そう簡単には移住できんよね」
「もっと高くてもいいから、かわりに仕事斡旋してくれ」
「仕事は米づくりが主流だけれど。いいかな?」
「納内駅って、2時間に1本じゃんwww」
「食材買うことくらいできそうだが、何か買い物するなら旭川まで行くしかないね」

などと、仕事をはじめ、実際に暮らしていけるのか心配する声も少なくない。

高齢者の移住多く、「体験ツアー」を経て決める

   北海道内で深川市のように、「破格」で宅地を売り出している自治体は他にもある。

   石狩平野の北端で深川市と隣接する秩父別町は市街地の周辺部には水田が広がり、1129世帯、2546人(2015年9月末現在)が暮らす、小さな町。所有する38区画の宅地を「1平方メートル1円」で売り出した。1区画約460平方メートルなので、なんと460円だ。

   2011年から2年ごとに販売。3回目の2015年が最後で、現在6区画を売出中。ただし、売れ残れば販売を継続する。

   町によると、成約済みの32区画のうち、道内の他の自治体や道外からの移住者の多くは、定年後の高齢者で「町の移住体験を経て、住むことを決めた人もいます」と話す。

   さらに、噴火湾(太平洋)と日本海に接する八雲町は2007年から、宅地を無償で譲渡している。16区画(計画を含む)を用意。購入した翌年の12月31日までに住宅を建て、居住することが条件。また、5年間は転居できないきまりもある。

   すでに3区画が埋まり、自営業の人などが暮らす。現在は7区画を販売(2015年度分)。八雲町でも移住体験ツアーや「お試し暮らし」などを通じて、町のよさを「体験」しながら、検討を進めてもらいたいという。

   一般に、移住促進策というと土地の購入や住宅建設のため、助成金制度を設けている自治体が多い。地元の建設業者を使って住宅を建てると、さらに助成金が上乗せされるといった制度もある。

   とはいえ、深川市などの取り組みは、PR効果が絶大だ。「道外から移住を希望する人には関心をもってもらえるでしょう」と、北海道庁も期待を寄せる。

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