プラチナの販売量、銀座店の7月は前年のなんと32倍
プラチナ相場が下落する一方で、貴金属店が沸いている。100グラムあたり42万円前後の、プラチナの「延べ棒」を買い求める人が増えているというのだ。
田中貴金属工業が2015年10月15日に発表した1~9月期のプラチナ地金の販売量と買取量によると、この期間中のプラチナの国内平均価格は1グラムあたり4381円で、前年同期の平均価格4817円を436円下回った。
一方、プラチナの販売量は、前年同期と比べて3.6倍の9891キログラムに達し、9か月で14年の年間販売量の2倍を記録した。全国で最も来客数が多い銀座本店では7月に、前年のなんと32倍も売れたというから驚きだ。
同社は、プラチナ価格が金価格を下回っている値ごろ感に加えて、1グラム4000円を割ったことが販売量の増加に影響しているとみており、「プラチナによる資産形成を考える消費者が増えていることがうかがえます」と説明する。
ちなみに、買取量は前年同時期に比べて48%減少した。
田中貴金属工業は、「一般にプラチナは金よりも高価なイメージがありますが、マーケットが小さく、相場が金につれて動く傾向にあるので、わかりづらいことがあります。今回はVWの不正問題が大きく取り上げられ、それもあってわかりやすかったのでしょう」と、消費者が殺到した要因を推察。「金をお買い求めに来店して、いろいろと相談しているうちにプラチナを買っていくというお客様も少なくなりませんでした」とも話している。