「見た目がいいと長生きする」ってホント?

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   昔は「美人薄命」といったものだ。夏目雅子さんがそうだった。普通の人は、美女の宿命に涙しつつ、「健康が一番ね!」とちょっと溜飲を下げた。ところが今は「美魔女は長生きする!」とネットニュースで流れる。

   天は美人に二物も三物も与えて不公平をするのか?

  • 見た目とは、生まれつきの美貌を意味するのではない(イラスト:サカタルージ)
    見た目とは、生まれつきの美貌を意味するのではない(イラスト:サカタルージ)
  • 見た目とは、生まれつきの美貌を意味するのではない(イラスト:サカタルージ)

おカネばかりか、長生きまで手に入れて、美人ってズルい!?

   「美人は得」と漠然と信じられた社会通念を科学的に「証明」した研究がある。2015年2月に出版された「美貌格差 生まれつきの不平等の経済学」だ。米国の労働経済学者が「見た目のいい人」と「普通の人」では生涯収入で約2700万円の差が出ることを膨大なデータから明らかにした。これも相当の不公平だが、あくまでおカネの世界の話だった。

   最近、「見た目」が寿命にまで影響するという研究が次々と発表され、「普通の人」にさらなる追い打ちをかける。2009年にデンマークの研究者が双子を調査したケースもその1つだ。日本の「見た目のアンチエイジング研究会」(抗加齢医学会の分科会)などのサイトによると、こうである。

   同じような遺伝子を持つ双子でも、長年の生活習慣の違いから老け方に差が出てくる。平均70歳の双子では、見た目の年齢が約10歳も違ってくるそうだ。そして、70歳以上の双子387組を7年間追跡調査したところ、老けて見える方の人が早死する傾向がみられた。また、身体機能や認知機能も低かったという。

   「人は見た目ではなく、中身」といわれてきたが、「見た目は体の健康状態や病状まで表す」というわけだ。逆にいえば「見た目を磨けば『長生き』まで手に入る」のだ。

見た目を若く保つ努力、毎日を明るく楽しむ気持ち

   この場合の「見た目」とは、生まれつきの「美貌」ではない。後天的な「美貌」である。シワやたるみが少なくハリのある肌、姿勢の良さ、しなやかに動く体など、キレイに若々しく見えることだ。食生活の工夫、運動・エクササイズ、多彩な趣味......。見た目を若く保つ努力を続けることと、毎日を明るく楽しむ気持ちが長生きにつながるのだ。

   年のサバを読んで若く誤魔化すことも効果があるという。英国で6万5000人を調査した研究では、実年齢より若いと感じている人と、老けていると感じている人では、8年後の死亡率のリスクが40%も違った。

   これなら「普通の人」のあなたでもオッケイ! 天はやっぱりあなたの味方かも。

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