住民多く、調整が長期化する恐れも・・・
ある不動産アナリストは、「こうした問題は長期化する恐れがあります」と指摘する。原因を突きとめてから、基礎工事をやり直すことで修繕できるのか、新たに建て替えるのか、いずれもしても「最終的には住民が判断することになるからです」と説明する。
「今回(「パークシティLaLa横浜」)の件も、おそらくは建て替えになるのだと思いますが、住民が多いとマンションに対する考え方も異なります。住み続ける人もいれば、売りたい人もいる。風評被害もあって、資産価値が大きく毀損しているので、中古物件として売れなくなる心配もありますから、そんな意見を調整するだけで時間がかかります」
三井不動産レジデンシャルとマンションの管理組合が協議していくことになるが、それぞれの思惑が絡んで、なかなか前進しないということのようだ。
じつは、横浜市では2014年6月にも11階建てのマンションで、建物を支える杭の長さが足りずに傾く施工ミスが、5棟あるうちの1棟(65戸)で見つかった。
この物件では、販売元が「安全性が担保できない」と判断。住民に仮住まいへの転居を呼びかけた。仮住まいの賃料や引っ越しに伴う費用は同社が負担している。
現在、問題のあった1棟65戸には誰も住んでいない。販売元の大手不動産は「個別の事情にあわせて、住民の意向にそうよう対処しています」と説明。マンションの管理組合とも協議を重ねている。