「日本側が公然とユネスコを脅迫していることには驚いている」
当然のことながら、中国は猛反発している。華春瑩副報道局長は、定例会見で、
「日本側が公然とユネスコを脅迫していることには驚いており、全く受け入れられない」
と述べている。これに加えて、中国以外にも日本の姿勢が「脅迫」だと受け止める向きがあるようだ。
英ガーディアン紙は、
「南京大虐殺の登録めぐり、日本がユネスコへの支出を停止すると脅迫(threatens)」
という見出しで今回の問題を詳報。新聞各紙の論調についても、
「日本の新聞各紙は、ユネスコの決定を非難するという点で一致している」
と触れている。
英語で配信された記事だけでも、英タイムズ紙、米国務省が運営する国際放送のVOA、ロシア国営の国際放送「ロシア・トゥデイ」などが見出しに「脅迫」の表現を使っている。AP通信は「may cut(削減の可能性)」という比較的穏やかな表現の見出しだが、配信された見出しに「脅迫」の表現を加えてウェブサイトに掲載する新聞社もある。ただし、これらの記事では、米国が分担金の支払いを停止していることはほとんど伝えられておらず、日本側の狙いが誤った形で世界中に伝わっている可能性が高い。