京都市に住む無職の男(20)が自宅の布団にライターのオイルをかけて火をつけ、外出した。その後、そばに置いた数本のスプレー缶の一つが引火して爆発し、窓ガラスが割れるなど部屋がめちゃくちゃになった。
男は数時間後に戻ってきたところを現場検証に来ていた警察に取り調べを受け、現住建造物等放火未遂容疑で逮捕された。男はなぜ、自宅の布団を燃やし、スプレー缶を爆発に至らせたのだろうか。
窓ガラスが割れ家具も吹っ飛び部屋がメチャクチャに
京都府の北警察署によると、京都市北区のマンション3階で出火と爆発があったのは2015年10月1日の午後3時過ぎ。爆風で窓ガラスが割れ、家具も吹っ飛ぶなど部屋がメチャクチャになっていた。部屋の中には焼けた布団があり、畳も焼け、天井や隣の部屋にあったエアコンも焦げていた。爆発があった時には部屋は無人で、目撃者が消火器を持って部屋に入り消火を行い、ほどなくして火は消えた。
午後7時頃に警察が現場検証していると、男がマンションに戻ってきた。鼻の下と指先が黒くなっていたため怪しいと思い事情を聞くと、布団に火を付けた事を認めた。北警察署は15年10月13日に現住建造物等放火未遂容疑で逮捕した。
犯人はこの家の長男で、アルバイトをしている母親(45)と弟との3人暮らし。仕事もなく毎日ぶらぶらしていて、この日は朝からずっと携帯電話をいじっていた。母親が怒って携帯電話を取り上げ、それが引き金になり布団を燃やすことになった。
爆発したのは消臭スプレーだった
男は布団にライターのオイルを撒いて燃やした。そして、スプレー缶数本を布団の側に置いた。実際にスプレーを使ったかは分からないが、布団が燃え上がったのは確かで、男は煙で息苦しくなり、スプレー缶をそのままにして外出した。熱によって爆発したのは消臭スプレーだった。男が4時間ほど経って帰宅したのは「そろそろほとぼりが冷めてもいい頃だ」と思ったからだという。北警察署は、
「なぜこんな事件を起こしたのかについては、携帯電話を取り上げられイライラしたからという理由を語っています。取り調べはこれからも続くため、詳しい事はまだ分かっていません」
と説明した。
逮捕容疑が放火ではなく放火未遂になっているのは、男が火を付けたのは「マンション」ではなく布団という「独立」したものであるため、今のところは放火と断定はできないからだという。