汗、ミドル脂臭、加齢臭の三重苦
女性たちにニオイ成分を嗅がせてみたサイトをのぞくと、加齢臭が、「枯れ草のニオイみたい。なんか、お爺ちゃんの家に行った時のような懐かしさすら覚える」と意外に好意的なのに比べて、ミドル脂臭は「攻撃的というか、油っこくて、もわっと鼻にまとわりついて、思わずウッとくる」と不快に思う女性が圧倒的だ。マンダムが行なった「ニオイの容認度」調査でも、加齢臭を「許せない」とする女性はわずか13.2%だったが、ミドル脂臭は81.3%に達した。
しかも、汗のニオイが両脇、加齢臭が背中や胸などから発生するのに対し、ミドル脂臭は頭頂部やうなじの部分から発してくる。鼻の反対側からにおうため、周囲に迷惑をかけても自分では気づきにくい。また、ミドル世代は20代より代謝が低下するとはいえ、汗のニオイがまだ残っているし、40歳あたりから加齢臭がそろそろ始まる。ミドル世代は、「汗のニオイ」「ミドル脂臭」「加齢臭」の三種混合という複雑な体臭を発するのだ。
2015年9月、マンダムと東北大学の合同チームが、3つのニオイ成分の感受性を比較した研究を発表した。ミドル脂臭の成分「ジアセチル」、加齢臭の成分「2-ノネナール」、汗や足のニオイの成分「イソ吉草酸」を男女21人に嗅がせて、不快に思う度合いを調べた。すると、ジアセチルの感受性は個人差が大きいことがわかった。ほかの2つのニオイ成分に比べて、「我慢できないほど不快」という敏感な人から、「ほとんど不快に思わない」という鈍感な人までばらつきが目立った。研究チームでは、「正常な嗅覚を持つ人の中にも、ジアセチルを感じやすい人と感じにくい人がおり、自分の体臭に気づかず、無意識にスメハラをする原因となっているのでは」と警告している。