女子高生16歳は容疑者に好意を持っていた それなのに誘拐の疑いで男逮捕に疑問噴出

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   大阪府立高校1年の女子高生(16)を連れ回したとして会社員の男(27)が未成年者誘拐の疑いで大阪府警に逮捕され、ネット上では、結婚できる年齢なのにと疑問の声が続出している。府警は、J-CASTニュースの取材に対し、ある事情を逮捕の理由に挙げている。

   「俺んとこ来るか」。逮捕された男は、女子高生と携帯電話の出会い系サイトを通じて2015年6月に知り合い、女子高生にラインなどでこう呼びかけた。

  • 女子高生は好意があったというが…(写真はイメージ)
    女子高生は好意があったというが…(写真はイメージ)
  • 女子高生は好意があったというが…(写真はイメージ)

親に無断で連れ回した未成年者誘拐の疑い

   2人は7月21日に初めて会ったが、女子高生も好意を持っており、男はそのまま名古屋市内の自宅マンションに連れ込んだ。女子高生の家族が翌日未明に行方不明者届を高槻署に出し、女子高生は29日に無施錠のマンションに1人でいるところを見つかり、いったん警察に保護された。

   ところが、女子高生は10月3日にまたいなくなった。12日になって松山市内のホテルの駐車場に2人でいるところを警察が見つけ、男は逮捕された。調べに対し、男は容疑を認めているという。

   こうした内容が男の実名とともに報道されると、ネット上では、警察が逮捕したことについて疑問や批判が相次いだ。

「これ、誘拐か?自分の意思で男に付いて行ってるだけにしか見えん」「結婚できる年齢だしいいんじゃないか」「家出じゃないの?これ。で、一緒にいてくれたのに、逮捕なの??」

   もっとも、「付き合うならきちんと家族の許可を得ないとな」「そら、未成年を無断外泊させたらあかんわ」といった指摘はあったが、疑問の声の方が多い。

   高槻署の副署長が取材に答えたところでは、事件の経緯は次の通りになる。

   7月に女子高生を保護したとき、男に好意を持っており、被害者意識が希薄だったため、任意で捜査していた。その容疑は、10万円以下の罰金に留まる愛知県青少年保護育成条例違反(第17条2項=親の承諾なしの深夜連れ回し行為)だった。

中1少女殺害事件も考え、最悪の事態を想定

   そのときには、男は、もう女子高生とは会わないと言っていた。

   ところが、10月に女子高生がまたいなくなり、両親が行方不明者届を出して娘を確保してほしいと訴えた。

   高槻署では、前と同じことが繰り返されている可能性があるとみて男と連絡を取り、2日後の5日に事情を聴くため自宅マンションを訪れた。しかし、男は自宅におらず、会社も無断欠勤していた。

   女子高生の自宅の最寄り駅などで防犯カメラの映像を分析すると、2人が大阪市内で会っていたことが分かった。その後は、神戸市内に行った後、松山市内にいることをつかんだ。男がスマホを解約したとき、店員がデータ確認で電源を入れたため、GPS機能で所在が判明したからだ。そして、宿泊先を洗い出した結果、12日朝にホテルを出た男を職務質問し、女子高生を保護した。

   男は、女子高生と駆け落ちしようと話し合っていたという。女子高生は、結婚は意識していなかったが、このときも男が好きで被害者意識も薄かったとしている。

   それでも男を逮捕したことについて、副署長はこう説明する。

「本人は、親とも連絡を取ったことがなく、未成年者を無断で連れ回すことがいけないことだと知っていました。まだ精神的に不安定な年ごろなのに、甘い言葉でだまして自己の支配下に置いて連れ回すのは、悪質で許されないことだと考えて誘拐容疑に切り替えました」

   さらに、高槻市内で8月に中1少女の遺体が発見されて騒ぎになった殺人事件のことも考慮したと明かす。

「事件があってから、少年少女への行為については敏感になっています。自暴自棄になって、最悪の事態になっては困りますので、できる限りのことをしてそれを食い止めようと考えました。府警本部の捜査第1課とも協議し、指名手配して身柄を確保することを最優先にしました」

   なお、女子高生は、両親もいるごく普通の家庭だというが、母親は娘に厳しい一面もあったという。

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