女子高生16歳は容疑者に好意を持っていた それなのに誘拐の疑いで男逮捕に疑問噴出

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中1少女殺害事件も考え、最悪の事態を想定

   そのときには、男は、もう女子高生とは会わないと言っていた。

   ところが、10月に女子高生がまたいなくなり、両親が行方不明者届を出して娘を確保してほしいと訴えた。

   高槻署では、前と同じことが繰り返されている可能性があるとみて男と連絡を取り、2日後の5日に事情を聴くため自宅マンションを訪れた。しかし、男は自宅におらず、会社も無断欠勤していた。

   女子高生の自宅の最寄り駅などで防犯カメラの映像を分析すると、2人が大阪市内で会っていたことが分かった。その後は、神戸市内に行った後、松山市内にいることをつかんだ。男がスマホを解約したとき、店員がデータ確認で電源を入れたため、GPS機能で所在が判明したからだ。そして、宿泊先を洗い出した結果、12日朝にホテルを出た男を職務質問し、女子高生を保護した。

   男は、女子高生と駆け落ちしようと話し合っていたという。女子高生は、結婚は意識していなかったが、このときも男が好きで被害者意識も薄かったとしている。

   それでも男を逮捕したことについて、副署長はこう説明する。

「本人は、親とも連絡を取ったことがなく、未成年者を無断で連れ回すことがいけないことだと知っていました。まだ精神的に不安定な年ごろなのに、甘い言葉でだまして自己の支配下に置いて連れ回すのは、悪質で許されないことだと考えて誘拐容疑に切り替えました」

   さらに、高槻市内で8月に中1少女の遺体が発見されて騒ぎになった殺人事件のことも考慮したと明かす。

「事件があってから、少年少女への行為については敏感になっています。自暴自棄になって、最悪の事態になっては困りますので、できる限りのことをしてそれを食い止めようと考えました。府警本部の捜査第1課とも協議し、指名手配して身柄を確保することを最優先にしました」

   なお、女子高生は、両親もいるごく普通の家庭だというが、母親は娘に厳しい一面もあったという。

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