ネット上で「パクリ」疑惑が浮上した東京都の「東京ブランド推進キャンペーン」のロゴが、海外に思わぬ波紋を広げている。
デザインの酷似が指摘されたフランスの眼鏡メーカーはすでに事態を把握。「日仏友好のため、我々はロゴを変更する準備がある」などとした声明をツイッターで発表した。
仏メーカーは日本語でツイートも
疑惑が持ち上がっている「東京ブランド推進キャンペーン」のキャッチコピー「&TOKYO(アンドトーキョー)」のロゴは、オレンジの丸に白抜きの「&」とアルファベット「TOKYO」が組み合わされたデザインだ。丸の部分は藤色など、全5色のバリエーションがある。
このロゴが酷似しているとネット上で指摘されているのが、フランスの眼鏡メーカー「Plug&See」とニュージーランドの法律相談所「JONES&CO」のロゴだ。いずれもアルファベット部分のフォントは異なるが、「&」部分が丸に白抜きで、東京都のロゴと共通する部分がある。
「Plug&See」側はすでに騒ぎを把握しているようだ。自社サイトやツイッターに
「日仏友好のため、我々はロゴを変更する準備がある。新しいロゴにするため寄付をしてください」
と声明を発表。どこまで本気か分からないが、
「弊社のグラフィックチャート変更のため、場合によっては弊社の東京進出のため、金銭的なご援助を賜りますようお願い申し上げます」
と日本語でもツイートした。
「JONES&CO」は10月13日18時現在、公式サイトなどで反応はしていない。
舛添知事は会見で「疑惑」真っ向から否定
「パクリ」疑惑について舛添都知事は10月13日の会見で、
「(似たようなロゴは)ごまんとあり、もっと見つかってもいいくらい。『&』は記号で著作権の対象ではなく、エンブレムの問題とは全然違う」
と真っ向から否定した。
9日の会見でも「&」や「TOKYO」など記号や文字で構成したデザインは「著作権法上の保護対象にならない」、商標権についても「既存の商標と抵触していないということを確認しました」と説明。「法的な側面を見て、これでもう問題ないという形でやった」と話していた。
東京都によると、当初ロゴのデザインは夏ごろの発表予定だったが、法的に問題ないかを調査して発表のタイミングが遅れた経緯がある。
ロゴやPRビデオ、サイトの製作費は約1億3000万円。デザイン監修は「HAKUHODO DESIGN」代表取締役社長で多摩美術大教授の永井一史氏。同氏の父親は物議をかもした東京五輪エンブレムの選考審査委員の代表だった永井一正氏だ。