店頭価格は5キロ2500円前後
折しも、新米の季節。2015年10月10日に青森県内で一斉に発売された「青天の霹靂」も、この9月に収穫したばかり。そんなおいしさを求めて、消費者が多くのスーパーや米穀店などで列をつくった。スーパーも特設の売り場を設けて対応したが、瞬く間に売り切れた。
さくら野百貨店・青森店では10日に即日完売。「在庫がありません。入荷も未定です」(12日時点)と話す。イオン青森店も12日時点では売り切れ。ただ、「あす入荷予定があるかもしれない」という。
また、八戸市のコメ専門店「KOMEKUUTO」は発売日のようすを「即完売! 青天の霹靂!」と、フェイスブックに掲載。次回入荷も未定。予約本数も限りがあって受付終了となった、と明かしている。
イオンつがる柏店によると、「予想を上回る売れ行きです。試しに1度は食べてみようというお客様が多いものと思います」とみている。もともと出荷量が限られているようで、「入荷予定はわかりません。おそらく、東京に出回る分もかなり限られているのではないでしょうか」と、東京で「青天の霹靂」を口にすることはむずかしそうだ。
店頭価格は5キロ2500円前後と、新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や山形県産「つや姫」などの「特A」のブランド米と同じ水準。青森県産の「「つがるロマン」よりも、やや割高となっている。
一方、「特A米」も産地間の競争は激しくなっている。「青天の霹靂」のみならず、最近の5年間で「特A米」の銘柄は22から44銘柄(2014年産)に倍増。ライバルは数多い。
産地間の競争に勝ち残れなければ、「特A米」だからといって、売れるとは限らないし、場合によっては価格が下落する可能性もある。
さらには環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の大筋合意で、将来的には海外産のコメがこれまで以上に輸入されることになる。コメ産地にとっては、国内外のライバルとの競争がますます厳しくなる。
ちなみに、1989(平成元)年以降、26年間にわたり「おいしい」と、「特A米」の評価を取得し続けているのは「魚沼産コシヒカリ」だけだ。