新品種のコメ「青天の霹靂」の発売で、地元・青森県が沸いている。
「青天の霹靂」は、2015年2月に日本穀物検定協会によるコメの食味ランキングの最上位「特A」を、青森県産で初めて取得。新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や山形県の「つや姫」などと肩を並べ、「おいしい」とされる最高評価の銘柄に加えられた。
全国に通じるブランド米、「青森の実力のすべてが詰まっている」
「東北のコメ」というと宮城県や秋田県、山形県を思い起こす人は少なくない。これまで、青森県でコメが注目されることはほとんどなかったが、それはコメの主産県でありながら、全国に通じる「ブランド米」がなかったことがある。
そんな青森県が、約10年を費やしてコメの研究や品種改良の積み重ね、新しいおいしさを求めて育成してきたのが、「青天の霹靂(青系187号)」だ。
「ひとめぼれ」の系統で、ふっくらとしてつやがあり、粘りと硬さのバランスがよく、モチモチで噛むほどに甘みが広がる、上品な甘みが特徴。粒はやや大きめの、しっかりとしたコメとされる。
青森県は「青天の霹靂」の特設ホームページで、「食材豊かな青森で誕生したお米らしく、海のもの、山のもの、里のもの、どんなおかずとも相性がよく、頼もしさがあります」とPR。そのうえで、「誰もが驚くような旨さを目指して、青森の実力のすべてがつまっています」と強調している。
生産にあたっては、気候や土壌などの条件が良好な地域、栽培農家や水田を限定したほか、土づくりを行い、肥料や農薬を減らすなど、おいしくて安全・安心なコメづくりを徹底。さらに食味を検査し、独自の出荷基準を設けることでブランド米としての品質を確保。「青天の霹靂」の名称やブルーを基調とした独特のパッケージの採用など、販売方法も工夫した。
早急にブランド化を進め、青森県では主力品種の「つがるロマン」や「まっしぐら」など、県産のコメ全体の評価向上につなげていきたいとしている。