身長178センチ、体重83.5キロの体型から「半年で10キロ減量」を目指し、ダイエットを始めた木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)。前回、1週間で2キロ減を達成し、幸先の良いスタートを切った。
ただ管理栄養士によると、短期間での体重急減は必ずしも望ましいとは限らないようだ。「ヘルシーランチ」には慣れてきたが、ちょっと気になる食習慣がせっかくのダイエットを台無しにする恐れが発覚。キヨシさん、青ざめる――。
「私、もう揚げ物食べませんが、何か」
いつも朗らかなキヨシさんだが、ちょっとお疲れ気味の表情を見せた。
キヨシさん「最近、激務が続いていまして」
聞けば、会社を出る時間が22時過ぎという日々で、帰宅後に夕食をとるのが「午前様」になっていることもしばしばだそうだ。あまりに帰りが遅いと、食事もご飯に納豆、豆腐と簡単に済ませるという。「昔は深夜でも唐揚げを平気で食べていましたが、今は疲れていると濃い味のものは食べたくないですね」。
前回の宣言どおり、休日に家族と「塩ワンタンメン」を堪能したというが、平日の昼食はカロリー低めのメニューを続けている。そば、マグロ丼とキャベツ大盛り、鮭弁当、忙しくてサラダとおにぎり1つという日もあった。「水やお茶をたくさん飲むようになった」点が変化だが、2週、3週と経過しても続いている。
「私、もう揚げ物食べませんが、何か」――。まるでこう言いたげな涼しい顔。忙しい方が、ダイエットがはかどるのかも。
「朝食を欠食すると5倍太りやすいデータあり」に絶句
いや、どうも喜んでばかりはいられなさそうだ。仕事が忙しく、帰宅が遅くなって夕飯も深夜にずれ込む。その反動が翌朝にやってきて、どうしても朝食がとれないという。これは以前からのキヨシさんの習慣でもあるが、ダイエットを始めてからも朝食抜きの生活は改善されていない。
管理栄養士に聞くと、「朝食を欠食すると、5倍太りやすいというデータもあります」と指摘する。
キヨシさん「ほ、本当ですか...(絶句)」
編集部「豆乳、牛乳、砂糖なしのカフェラテ、飲むヨーグルトでもお腹に入れることを、管理栄養士さんは勧めていましたよ」
キヨシさん「たまに飲みますが、朝はボーっとして食欲がわかず、飲むのを忘れることもあるんですよね」
夜遅い毎日で、朝は少しでも長く布団に入っていたい。朝は食べなくても、それなりに我慢できている。それでも今までの習慣を変えないと、体調にまで悪影響を及ぼしかねない。順調に見えたダイエット生活に、早くも正念場がおとずれた。
筋肉の材料となるたんぱく質が不足
もうひとつ、気になるデータがある。体脂肪の変化だ。体重減のペースは若干ダウンしたものの、ダイエット開始から半月を越えた時点で2.5キロ落としており、この点は順調だ。ところが自宅で計測した体脂肪率は、開始時の22.3%から今回は23.5%とむしろアップしてしまった。
前回、管理栄養士から「急激なダイエットは体脂肪よりも筋肉量を減らしやすい」との指摘を受けていた。また食事のメニューから、筋肉の材料となるたんぱく質が不足している点も懸念していた。そして、体脂肪率が上昇したという事実。
キヨシさん「もしかして、このままだとブヨブヨの体になってしまうのでは...」
管理栄養士の話では、体脂肪には明確な基準値がないものの、男性の場合は20%を超えると軽度肥満とする場合もあり、現在の数字では決して油断はできない。当面は体重やカロリーだけでなく、体脂肪の推移も記録してアドバイスを得ることとした。
少々怪しげな雲が垂れ込めてきたが、本人からはこんな言葉も聞かれた。
キヨシさん「食事のコントロールだけでなく、ちょっと運動も始めようかと。息子たちからリクエストもあるので、今度公園でフリスビー投げたりしてみます」
「全身ブヨブヨ」の将来像がよほどこたえたのだろうか。ただその後で「でも、運動するとお腹がすくので心配です」とまた困り顔に戻ってしまった。