牛乳を飲むと乳がんに? 牛白血病ウイルスが原因か―米大学で研究

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   牛乳に含まれているウイルスが乳がんの原因の1つかもしれない――米カリフォルニア大学公衆衛生大学院のガートルード・ベーリング教授(ウイルス学)らの研究チームは2015年9月、乳がんと乳がんではない女性計239人の乳腺組織を調べた結果、乳がんの場合は牛白血病ウイルスに感染しているケースが3倍多かったと、米科学誌「プロスワン」電子版に発表した。

   牛白血病ウイルスは牛乳の中にもあるウイルスで、白血病を引き起こすほか、乳腺細胞にも感染する。ただ、低温殺菌すると感染能力は消えるという。現時点では両者の因果関係は不明だが、ベーリング教授らは「乳がんの人に高い確率で牛白血病ウイルス保有者がいることが確認された。人に移った経路の検討が必要だ。関係性の強さでは、家族歴(遺伝性)や生活習慣など、これまで指摘されている乳がんの危険因子に劣らない」という見方を示している。

   牛乳と乳がんの関係については、これまでも、牛乳に多く含まれる「IGF-1」という細胞を増殖させる成長因子が、乳がんをはじめ前立腺がんや大腸がんの発症リスクを高めるという研究が出される一方、牛乳に含まれているタンパク質やカルシウム、ビタミン類など豊富な栄養素が様々ながんの発症リスクを抑えているという研究も多く、「牛乳論争」が続いている。

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