世界中の犬への恩恵は計り知れない
メルク社とフランスの製薬・農薬メーカーだったローヌ・プーラン社が設立した日本法人メリアル・ジャパン広報によれば、日本で「イベルメクチン」が発売され、獣医師が使うようになったのが1987年から。当時は馬や牛、豚などの家畜用だったが、1993年4月から犬用のフィラリア予防・治療薬「カルドメックチュアブル」が発売された。予防には100%の効果があるという。同社の永田正社長は15年10月6日のNHKニュースで、
「ペットの犬の寿命も以前は5年ほどで死ぬことが多かったが、薬によって10年ほど延びたと言われている。人の病気の治療だけでなく、動物用の薬としても世界中の人たちに与えた恩恵は 計り知れないと思います」
などと話している。
犬の平均寿命は今、15年といわれている。エサの質の向上や室内飼いといった様々な要因もあるが、大村教授の「エバーメクチン」の発見が大きく寄与しているというのは間違いないようだ。