有楽町の一等地にあるビルの最上階に入居し、多くの要人が外国人記者の前で会見することで知られる日本外国特派員協会(東京都千代田区)が、内紛劇に揺れている。2015年6月に選ばれたばかりの会長が、わずか3か月で交代したのだ。財務データをはじめとする重要情報の引き継ぎをめぐるトラブルがこじれた末の交代劇だ。
特派員協会は終戦直後の1945年に設立。70周年の節目に、最大の危機を迎えている。
会長を3カ月で交代させる動議が可決
特派員協会の理事会の任期は1年で、新しい理事会は15年6月に発足した。13年までは投票権を持つ「正会員」が、会長、第1副会長、第2副会長といった役職ごとに投票していたが、14年に協会が公益社団法人に移行してからは、会員は理事9人を選び、その9人が会長や副会長を互選するシステムに変更されている。
15年6月に発足した理事会からは、ジェームズ・シムス氏(フリーランス)が会長に選ばれた。交代劇は、その3か月後の9月24日に起きた。この日行われた理事会で、第1副会長のピーター・ランガン氏(フリーランス)から新会長の選出を求める動議が出され、第2副会長のスベンドリニ・カクチ氏(ユニバーシティーワールドニュース)が過半数の得票を得て新会長に選ばれた。
この事実は、カクチ氏が「『理事会承認(as approved by the Board)』会長」として9月28日に会員宛てに送ったメールで明かされた。
カクチ氏のメールや、カクチ氏らが10月6日に開いた説明会での説明内容を総合すると、交代劇の経緯はこうだ。