第3のビール開発で培った技術を生かした
ブランドマネージャーの中川氏によると、味の面では、いわゆる第3のビールのキリン製品「のどごし」で活用された技術が生かされたという。
「パーフェクトフリーの主原料は、のどごしと同じ大豆たんぱくです。のどごしの飲みごたえや『ビールらしさ』を担っている原料を用いました」
どんな食事に合わせてもおいしい、というコンセプトもある。通常のビールなら、例えば揚げ物や焼き鳥と相性抜群だが、こうした「おつまみ」を朝昼晩と毎回食べるわけではない。あまり「ビールらしさ」を徹底しすぎると、今度は合わない食べものが出てくる恐れがある。「スッキリ、苦味、キレ」を重視しつつも、さまざまな飲食シーンにぴったりな味に仕上げる努力が続けられた。
パーフェクトフリーと前後して、他社も健康志向のノンアルビールを出している。アサヒビールは3月に糖質やカロリー、プリン体ゼロをうたった「ドライゼロフリー」を、サッポロビールは5月にトクホの「サッポロプラス」を、またサントリーは4月、コラーゲン配合の「オールフリーコラーゲン」を、それぞれ発売して独自性をアピールする。
そのなかでパーフェクトフリーは、「健康意識の高い人を中心にリピート率が高く、購入者の8割以上が『継続して飲みたい』との反応」を得ているという。目標は、「食事の時に一番飲みたい」と思ってもらえるノンアルビールだ。