「女性は、死ぬまで妊娠できる」「男性は、死ぬまで射精できる」――こんな誤った性知識を持つ男子高校生が増えている調査結果が、2015年8月に大津市で開かれた日本思春期学会で報告された。東京産科婦人科医会監事の木村好秀医師が、東京都内の公立高校に通う、学校で性教育を受ける前の1年生300人(男子131人・女子169人)を対象に調査した。
それによると、正しい性知識では男女の間に開きが大きく、学校での性教育が逆風によって減ったため、家庭で母親などから生理や妊娠について教わる機会の多い女子に比べ、放置状態に近い男子の知識のお粗末ぶりが浮き彫りになった。各質問に対して間違った回答が寄せられたのは次のとおり。
◆各質問に「死ぬまで」と回答した割合
「月経は、何歳まである?」 男子28.6% 女子5.3%
「女性は、何歳まで妊娠できる?」 男子21.6% 女子3.6%
「男性は、何歳まで射精できる?」 男子40.5% 女子19.1%
「男性は、何歳まで妊娠させられる?」 男子33.6% 女子11.0%
女性にとって妊娠に適した時期は20歳代で、30歳代から妊娠する力が下がり始め、40歳を過ぎると難しくなる。男性も年齢が高くなると、精子の数や運動能力が下がり始める。木村医師は「思春期から妊娠・出産に適切な時期を教育する必要がある」と報告をまとめた。