東日本大震災のきっかけに脱原発と再生可能エネルギーへの転換を主張している菅直人元首相が、「独自の戦い」を活発化させている。
安全保障関連法の廃止を目指して野党で統一候補を立てる必要性を強調したと思ったら、太陽光発電で発電した電気は「送電線で送られて来た電気を使うより、音質がいい」らしいという「珍説」を披露も披露。もはや「何でもあり」の様相だ。
首相辞任から4年が経った今でも意気軒昂
首相辞任から4年が経った今でも、菅氏は意気軒昂だ。2015年9月10日に日本外国特派員協会で開いた会見では、自分が首相在任時に原発再稼働の条件を厳しくしたことで
「そうした再稼働ができなくなる段階から、私に対して電力業界、あるいは経産省から、『総理を菅が続けていると原発が動かない』ということで、政治的にそれを引きずり下ろす動きが激化した」
などと「原子力村」への恨み節をぶつけた。次に矛先を向けたのは安倍晋三首相だ。安倍氏は野党時代の11年5月、メールマガジンやウェブサイトで、
「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」
と、11年3月12日に菅氏が原子炉への海水注入停止を指示したことが「間違った判断」だと非難していた。
菅氏は、この記述が事実無根で名誉棄損にあたるとして13年7月に記事の削除や謝罪を求めて提訴。元首相が現職首相を訴えるという異例の事態に発展していた。