日本郵政、11月上場後の暗雲 「あの選挙」から10年たって収益力は?

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株売却益で大震災の復興資金を見込む国

   他方、日本郵政の中核事業である郵便・物流事業は赤字が続く。日本郵政が100%出資を継続する日本郵便は今年、オーストラリア物流大手のトール・ホールディングスの買収に踏み切った。需要拡大が見込めるアジアに強い物流企業の大型買収により、国際物流企業への脱皮を図る狙いがあるが、海外事業の運営ノウハウや人材をほとんど持たない日本郵政が、どこまで国際展開で成果を挙げられるのか、疑問もくすぶっている。

   10年間進まなかった日本郵政の上場がトントン拍子で進んだのは、政府が株式の売却益を東日本大震災の復興に充てる必要が生じたという側面もある。ただ、中国経済の減速感の強まりなどを背景に、株式市場も不安定な状況が続いており、日本郵政の船出は厳しいものになりそうだ。

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