資産価値は基本的に立地条件や利便性などで決まる!
前出の会社員は、「こんなことで(街やマンションに)悪い評判が立ったり、マンションの価値が下がったりするのは許せません」と憤り、同時に悪質な事件でマンションの資産価値が下がるのではないかと心配する。
ある不動産アナリストは、「そもそもマンションには、モノを落ちないようにするという考えがありません」という。基本的に、マンションのバルコニーやベランダからモノが落ちない、落とさないようにするための規制はないそうだ。
というのも、マンションのバルコニーやベランダは「専用使用権のある共用部分」にあたる。「そのため、原則として管理や修繕は管理組合が行なうことになっていて、モノを置くことが基本的にできないわけです。こうした措置は区分所有者が改造したり、モノ置くことで上下階に影響を及ぼしたり、非常時に避難路として使えなくなったりする可能性を考慮してのことですが、とくにタワーマンションなどでは美観を損ねるなどの理由から洗濯物を干すことも規約で禁じているケースが少なくありません」と説明する。
とはいえ、高層マンションからペットボトルなどを投げ落とす事件は、2015年6月にも東京都中央区佃でも起こるなど相次いでいる。
「このような事件が今後も頻発することになれば、マンションデベロッパーも何かしらの対策を立てざるを得なくなりますね」と不動産アナリストは話すが、気になるマンションの価値については、「犯人が捕まればすぐに鎮静化すると思いますから、資産には影響しないでしょう」とみている。実際に、中央区佃の高層マンションの事件でも資産への影響はないという。
「資産価値は基本的に立地条件や利便性などで決まるので、一過性の要素はよほどの大事件にでもならない限り、資産価値に影響することはないと思います。ただ、多少イメージは悪くなるかもしれません」