日本航空(JAL)の植木義晴社長は2015年9月30日の定例会見で、29日に日本政策投資銀行出身の市江正彦社長(55)らによる新体制をスタートさせたばかりのスカイマークについて、
「スカイマークの現在の社員の方の気持ちが一番分かるのは我々だと思っている。その意味では、競合他社になるわけだが、是非とも一致団結して頑張ってもらいたい。その上で、正々堂々と勝負して参りたい」
と述べ、エールを送った。
コードシェアでANAのシェアは「今よりは確実に広がる」
スカイマークは民事再生手続き中で、再生計画に基づいて9月29日付けで100%減資を行い、投資ファンドのインテグラル、ANAホールディングス(HD)、日本政策投資銀行と三井住友銀行がつくるファンドの3者が計180億円を出資して新たな株主になった。これに対して、JALは10年1月に会社更生法の適用を申請して経営破たん。公的支援を経て12年9月に再上場したという経緯がある。
15年9月29日には、全日空(ANA)がスカイマークの座席の一部を買い取って販売する共同運航(コードシェア)を行うことも発表されている。共同運航の結果、今よりもANAのシェアが拡大することは確実だ。こういった競争環境の変化については、植木社長は
「シェアということにおいては非常に厳しい現状になる。ただ、それは初めから理解した上で(スカイマークを支援する)共同スポンサーに手を挙げなかった」
「全日空さんのシェアとしては、今よりは確実に広がる。しっかりと兜の緒を締めて頑張っていきたい」
などと述べた。