カッコイイパパと言われたい 「20キロ増量男」が覚悟を決めた

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   若いころの暴飲暴食は「武勇伝」で済むかもしれない。しかし30代、40代で同じことを続けていると、体が悲鳴を上げ始める。体重オーバー、体脂肪率上昇、内臓への負担――。定期健康診断の結果には「生活習慣病に注意」の文字がおどり、しまいには「メタボ検査」に呼び出される、そんな経験を味わった人もいるだろう。

   J-CASTヘルスケア編集部で「ダイエット企画を実施します」と呼びかけたところ、ひとりの30代男性が手を挙げた。これから3か月、さらに半年と彼の挑戦を追っていく。

膝の痛みが続き、怖くて全速力で走れない

   現在36歳の会社員、木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)。身長178センチで体重83.5キロ、一見すると「巨漢」という感じはしないが、「入社当時の22歳では、体重59キロでした」。14年間で23.5キロ増と聞くと何だか「メガ盛り感」があふれてくる。

   自宅の体脂肪計で測ったら、体脂肪率は22.3%で標準の数値をクリアしたという。ところが「カラダ年齢」は44歳と実年齢より大分老けていた。

「あ、でも前は49歳だったから、ちょっと若返ったんですよ」

って、安心している場合じゃないでしょ...。

ラーメンとチャーハンの最強コンビは大好物
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   20代で結婚、仕事は忙しいながらも順調な毎日を送る。子宝にも恵まれ、今では10歳と7歳になる2人の男の子のパパだ。

   だが30代になると体に変調が現れた。5年ほど前にフットサルの試合に出た時のこと。社会人となってからは運動習慣がほぼゼロだったキヨシさん、全力で走って急に足を止めた瞬間、膝に鋭い痛みが走った。開始わずか10秒で、だ。医師の診察を受け、深刻なけがではないとの結果だったが、時を経た今も痛みが残り、怖くて全速力では走れないという。この企画に手を挙げたのは、このまま体重が減らないと膝の具合も悪いままではないかとの心配が理由のひとつだ。

膝の痛みが怖くて全力では走れない
膝の痛みが怖くて全力では走れない

揚げ物、ラーメン、ポテチにドーナツ

   過去にも体重が気になった時は腹筋運動を始め、夕食をざるそばだけにして1か月続けた。好物の炭酸飲料も減らした。それなりに効果は出たが、今も体重は「高止まり」が続く。

編集部「普段、どんな食生活ですか? 好きな食べものとか」
キヨシさん「朝食は抜きで、昼まで基本的に何も食べません。夕食の時間が遅いせいか、あまりお腹が空かないんですよね。ランチは肉系、こってり系を好んで食べます。揚げ物、ラーメン、パスタ...」

   揚げ物の話をすると、何とも幸せそうな表情。夕食は自宅でとるが、時間は21時以降と遅い。実はここでも揚げ物メニューがしばしば登場するという。そのうえ、子どもが食べ残した分を「パパ、食べてよ」と妻に言われて1.5人前、2人前になる日も少なくない。

   ペロリと平らげた後は、夜遅くに夫婦でDVD鑑賞しながらリラックスタイム。ここで、衝撃のひと言が飛び出した。

キヨシさん「DVD見ながらポテトチップスとか、あとドーナツ好きですね。4、5個イッキに」

と、ニコニコしながら手でドーナツをつまんでパクパク食べる仕草......これは強敵かもしれないと、編集部もビビり気味。

このまま放っておくと、最終的には...(写真はイメージ)
このまま放っておくと、最終的には...(写真はイメージ)

子どもから「デブ、デブ」言われるんですよね

編集部「それにしても、なんで20キロオーバーしちゃったんですかね」
キヨシさん「うーん、若いころに結婚したからかも。いい奥さんと出会えて安心しちゃったんですよ。もう、おしゃれにも体型にも気をつかわなくていいやって」

   家に帰ればおいしい手料理、ランチタイムも肉天国、揚げ物天国に囲まれる。だが夜遅くの夕食に朝食なしの不規則な食生活が続き、「幸せ太り」とも言っていられない年齢に差しかかってきた。終始明るいキヨシさんだったが、子どもとのエピソードになると急にトーンダウンした。

キヨシさん「子どもから『デブ、デブ』言われるんですよね」

と肩を落とす。以前は妻からも「カッコいい」と言われたものだが、このセリフ、もう何年耳にしていないだろう――。遠い目をして黙りこくったキヨシさん。しばらくの後、おもむろにこう口にした。

キヨシさん「子どもから『カッコイイパパ』と言われたい」

   この企画は長期戦だ。いきなり「では早速、某有名トレーニングジムでハードなメニューを」と勧めても、ダイエット経験皆無のキヨシさんに速攻逃げられそう。まずは無理ない範囲での挑戦を提案した。

編集部「月~金曜日のランチの中身を変えてみませんか。中華料理や揚げ物を避けて、低カロリーのヘルシーメニューにするんです。野菜中心にしたり、魚料理を選んだり。キツいトレーニングより、楽に続けられそうではないですか」
キヨシさん「なるほど......。確かにそれなら手軽かもしれません」

   管理栄養士のブログを見ると、「食事はまず野菜を食べましょう」「油ものは控えめに」といった勧めが多い。脂質は重要な栄養素だが、例えば天ぷらやチャーハンは油の使用量が多いメニューなので、食べ過ぎは禁物と言える。

   また夜遅くの「ドカ食い」はエネルギーの過剰摂取となるので、夕方に空腹になったらおにぎり1つ食べるのが効果的だそうだ。中身は梅や昆布、おかかなどが好ましい。その分、夕食時のご飯は減らす必要があるが、間食の有効活用なら難しくなさそうだ。まずはこうした、実現可能な改善から始めてみてはどうだろうか。

   編集部の説得に「やってみます」と覚悟を決めたキヨシさん。先は長いが、まずは一歩を踏み出した。

キヨシさんは最後に力強く減量宣言!
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