子どもから「デブ、デブ」言われるんですよね
編集部「それにしても、なんで20キロオーバーしちゃったんですかね」
キヨシさん「うーん、若いころに結婚したからかも。いい奥さんと出会えて安心しちゃったんですよ。もう、おしゃれにも体型にも気をつかわなくていいやって」
家に帰ればおいしい手料理、ランチタイムも肉天国、揚げ物天国に囲まれる。だが夜遅くの夕食に朝食なしの不規則な食生活が続き、「幸せ太り」とも言っていられない年齢に差しかかってきた。終始明るいキヨシさんだったが、子どもとのエピソードになると急にトーンダウンした。
キヨシさん「子どもから『デブ、デブ』言われるんですよね」
と肩を落とす。以前は妻からも「カッコいい」と言われたものだが、このセリフ、もう何年耳にしていないだろう――。遠い目をして黙りこくったキヨシさん。しばらくの後、おもむろにこう口にした。
キヨシさん「子どもから『カッコイイパパ』と言われたい」
この企画は長期戦だ。いきなり「では早速、某有名トレーニングジムでハードなメニューを」と勧めても、ダイエット経験皆無のキヨシさんに速攻逃げられそう。まずは無理ない範囲での挑戦を提案した。
編集部「月~金曜日のランチの中身を変えてみませんか。中華料理や揚げ物を避けて、低カロリーのヘルシーメニューにするんです。野菜中心にしたり、魚料理を選んだり。キツいトレーニングより、楽に続けられそうではないですか」
キヨシさん「なるほど......。確かにそれなら手軽かもしれません」
管理栄養士のブログを見ると、「食事はまず野菜を食べましょう」「油ものは控えめに」といった勧めが多い。脂質は重要な栄養素だが、例えば天ぷらやチャーハンは油の使用量が多いメニューなので、食べ過ぎは禁物と言える。
また夜遅くの「ドカ食い」はエネルギーの過剰摂取となるので、夕方に空腹になったらおにぎり1つ食べるのが効果的だそうだ。中身は梅や昆布、おかかなどが好ましい。その分、夕食時のご飯は減らす必要があるが、間食の有効活用なら難しくなさそうだ。まずはこうした、実現可能な改善から始めてみてはどうだろうか。
編集部の説得に「やってみます」と覚悟を決めたキヨシさん。先は長いが、まずは一歩を踏み出した。